本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。
ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
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ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。 |
天国旅行
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2013.10.28 Monday 16:24
7つの短編集ですが、タイトルから想像する通り、 生と死を描いています。 死者との触れ合いと言ったらおかしいけれど、そんな感じ。 特に『初盆の客』『星くずドライブ』は死んだひとが姿を変えたりそのままだったりして見える話。 会いたい気持ちはあっても実はずっと見えていたら困るだろう。 愛の果てにあるものなのだろうか。 現実に絶望したときどこに救いを求めたらいいのだろうか。 天国旅行というちょっと煌めくタイトルだけど、結構壮絶です。 『炎』の中で焼身自殺してしたっか彼とか、 『SINK』では一家心中の生き残りの彼とか。 |
二度寝で番茶
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2013.10.23 Wednesday 14:18
男女二人組のシナリオ作家である木皿泉という存在はなんて不思議で素敵なんでしょう。 53才の大福さんと49才のかっぱさんと夫婦でもあるのですが、 ふたりでまるで漫才のような掛け合いの対談集です。 仕事上でもプライベートでも素晴らしくバランスが取れているおふたりだなんですね。 人は日々時間の中で生きている。 年をとるのがいやだと思っている人は、明日のことをあれこれ思うのは幸せなことなんだと考えたらいい。 たくさんなるほどと思う名言が出てきました。 今日のことは今日のこと。明日の好きは明日作ればいい。とかね。 |
流れ星が消えないうちに
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2013.10.18 Friday 13:57
切ない切ない恋愛小説でした。 恋人同士だった加地くんと奈緒子。 しかし加地くんが突然亡くなり、その思いを抱きしめて離さない奈緒子。 そっと手を差し伸べる加地くんの友人の巧くん。 加地くんが亡くなってから玄関でしか寝ることが出来なっている奈緒子。 外国の小さな島のバス事故で突然亡くなってしまった恋人。 奈緒子が加地くんとの思い出をたくさん持っているように、 巧も高校時代の思い出がたくさんある。 最初は友達になんてなれないような相手だったのに、 文化祭の準備で出会ってから一緒に過ごすことが多くなった。 流れ星マシンのエピソードとか素敵。 プラネタリウムでの告白。 こんなんされたら絶対堕ちるよ。 羨ましいな〜 死んじゃった加地くんとの思い出はどんどんきれいになっていって忘れられるわけがない。 巧の気持ちも奈緒子の思いも最もだと思って辛くなる。 でも泣いたり喚いたりしても現実を受け止め受け入れるしかない。 終わりがくるまで生きて行くしかない。 流れ星に願いをかける。 |
土蛍
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2013.10.09 Wednesday 14:53
時代物捕物帳。 結構簡単に殺しが出来てしまうかのような時代を想像するのは気が重くなる。 一見まじめに生きているような者がいとも簡単に罪を犯す。 外見とはまた別に懸命に生きようとるすひとたちもいる。 きちんと調べて罪人にいきつくので少しは救われますね。 |
泣き童子
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2013.10.06 Sunday 09:28
百物語のシリーズ。
許婚者が幼なじみの男に殺されるという哀しい出来事がおきたおちかが、 立ち直りの足がかりの足がかりになるかもしれないと、 叔父さんの家に行儀見習いにきて3度めの冬を迎えようとしていた。 お嬢さん暮らしより働いていたほうが楽しいので女中に混じって体を動かす毎日。 そんな中叔父さんの案でちかが客人の不思話を聞く、変わり百物語の趣向が行われるようになった。 語って語り捨て。 聞いて聞き捨て。 おちかも聞いた話を叔父夫婦に伝えたらあとは二度と口にしない。 事の真偽も問わない。 そんな不思議話が今日もまた語られていく。 とてもおどろおどろしい話もあるのですが、恐がりの私も不思議と怖くありません。 ありえない出来事もそれなりに納得して読んでいます。 なんでもありですね。 ひとり心にしまったままよりこうして誰かに話すことで心の仕えが取れることもあると思います。 やっぱり表題の泣き童子が一番印象に残ったかな。 悪事を見抜く赤ん坊。 赤ちゃんのころに見えるものも大人になるにつれ見えなくなると今も言うことありますから、 そんな感じかもしれません。 節気顔もおもしろい。 ある一日だけ死んだひとの顔になる話。 弱いものいじめをしたり悪事を働いたひとに天罰があたるような、 必ず自分に返ってくるというような場合が多いですね。 少し救われます。 |