本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。
ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
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ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。 |
紫の結び一
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2013.09.30 Monday 11:30
源氏物語の新訳。 今までもいくつかあったと思いますが、楽に読みすすめられる上に原典の良さを知ってほしいという思いで書かれたそうです。 古典で読むの難しいですものね。 私なんて大和和紀さんの『あさきゆめみし』の影響しかありません。 すみません。 でも物語は好きです。 たまらなく女性の気持ちに感情移入してしまいます。 それぞれの気持ちになって喜んだり悲しんだり、 一番はなんといっても紫の上さまが好きで理想ですね。 そんな紫の上を中心に再構築されたと帯に書かれていたのに、 紫の上さまの登場が少ないです。 ちょっと物足りない。 多くの登場人物がいるので難しいのかもしれないけれど、 紫の上さまの心情がこれではよくわからないな。 この先に期待します。
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夏の終り
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2013.09.28 Saturday 11:46
瀬戸内さんというと失礼ながら不倫のイメージがあります。 妻子ある作家と8年も不倫を続けている知子。 彼は律儀にも妻と知子のところと半分づつ通っている。 律儀というかなんというか女性としてこれは幸せなのでしょうか。 その上知子は年下の涼太とも付き合いを続けている。 男にお金をせがんでいるわけでなく、染色の仕事で食べていっている知子はやはり心が求めてしまうのだろか。 女ひとりでは寂しい。 かといって男を求め続ける激しい愛欲に哀しみさえ感じます。 結局別れることを決意する。 熱い思いをときおり思いかえしながら生きていくのだろうか。 |
わたしをみつけて
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2013.09.27 Friday 16:58
赤ちゃんのときの産院に捨てられた山本弥生。 弥生という名前から3月生まれなの?と聞かれることが多いけれど、 嘘をつかないために答えない。 だって3月に生まれたんじゃない。捨てらてたのだから。と始まった物語 親に捨てられて施設で育った女性がいい子でいるふりを続けた。 准看護師になってある病院に勤める日々。 仕事はきちんと出来てもいつも自分は捨てられた子という思いがある。 ある日師長が交代することになり新しい師長さんがくる。 来て早々入院患者のことをすべて把握しているとか、 医師のやり方に苦言をして正しい方向へ導いていく。 師長が来るまでこの病院のことしかしらない弥生はここの先生のやり方がすべてだと思っていたが、いかに間違っているのかを知る。 院長がまたひどい。 明らかに誤診で患者を死なせてしまうが、認めない。 しばらくしてまた似たような患者が来たとき、皆が気づくが院長に隠れて他に転院させてしまう。 患者は助かるが院長はその行いを指示した師長をくびにする。 折角よくなりそうな院内だったのに師長がいなくなってしまう。 いろいろなことを教わった弥生は一緒に来ないかと誘われるももう少し今の病院でがんばるという。 自分のことを認めてくれた菊池さんが入院しているし。 そしてひとりだと思っていた自分にもいろんな人の助けや祈りによって生きていることを知る。 生まれたときからの境遇がその子の運命を決めるのかもしれない。 実の親の愛情を知らなくても、愛してくれる人がいる。 弥生はきっと立派な看護師になって多くのひとのために祈り、生きていくでしょう。 心に残る物語です。 |
南下せよと彼女は言う
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2013.09.26 Thursday 11:51
旅先の7つの物語 旅先には物語が似合う。 これを読んだら絶対に旅行に行きたくなると思います。 私なんてこの通りに旅をしてみたいなんて贅沢なことを考えてしまいました。 『アムステルダムたち』 オランダ アムステルダム 高校時代の男友達3人の旅 美術館を巡るうちに彼女がフェルメール好きだとわかり・・ 『橋、燃える』 ドイツ スイス ドイツ古城めぎりとアルプスの旅というツアーに参加した修平と静枝。 スイスが20年前にふたりが出会った街だった。 当時結婚していた修平とは不倫だった。 『秋の休暇』 フランス 母が亡くなり、母の友人を訪ねる旅 『添乗員のクリスマス』 ドイツ サンタと出会うクリスマス三都物語の添乗員の笹本 15人の参加者のうちひとりで参加の川合満に興味を持つ 仕事中に特定の参加者と仲良くするわけにはいけないけれど、偶然の出会いを楽しんでいた。 不思議な女性でした。 このクリスマスの雰囲気一度味わってみたいな〜 毎年特別にクリスマスを意識しているわけではないけれど、これは乙女心くすぐりますね。いくつになっても。 『ピアッツアにようこそ』 イタリア 有休をとってイタリアに行くことにした麻美子。 イタリアに住んでいる学生時代の友達美咲に行くと言ったらアテンドしてくれるというかそれほど親しかったわけでもないので気がすすまない。 でも当日急な出張で代わりに来たのは美咲の部下の峰村亜弥。 初対面のひととの旅に緊張するけでど意外と話が合い 男性2人組とも出会い、楽しい旅に。 『南へ・・・!』 スペイン 妻が亡くなり、一緒に行くつもりだったスペインへひとりでやってきた村野。 旅行の計画はすべて妻がやっていたのでどうしてここに行きたかったかわからない。 でも妻が付けたガイドブックの印に従って旅をする。 南へ南へ 『永遠の一日』 ハワイ 新婚旅行でやってきた和樹と華恵。 華恵は小学1年のころ1年間だけ母とふたりでハワイで暮らしていた。 その当時の友達と会い楽しい時間を過ごす。 簡単にあらすじを書きましたが、どれもとても素敵な物語でそれぞれ長編で読みたい感じです。 実際に旅行に行くことは少ない私ですが、 2つ前に読んだ本のモンゴルとカナダ始め、こんなにも多くの旅を感じ今旅行に行きたくてしかたありません。 現実問題なかなか行けないのですけどね。 その時まで大事に持っていたい本です。 |
達成の人
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2013.09.25 Wednesday 11:07
二宮金次郎早春録とあります。 少しの記録やエピソードから物語を組み立てるのでしょうけれど、 植松さんはいつもうまいなと感心させられます。 主人公の人生が生き生きと蘇るようです。 5才のとき台風による洪水で命の危機にさらされ恐ろしさを身を持ってしる。 病気の父親の代わりに大人に混じって賦役に行かざるを得なくなったのが11才のとき。 がんばってがんばって本当にどれほどがんばったかがよくわかる。 働いても働いても貧乏で楽にならない。 でも父親が言うように草鞋を作り皆に分けるようになり、 その丈夫さから買い取ってもらえるようになり自分で儲けるお金の大切さも学んでいく。 どんなに貧乏でも本を読むように言ってくれた父親。 百姓が本を読んでもという人たちの言葉に負けず、 夜本を読むための油がもったいないと言われれば、油を手にいれる方法を考える。 常にどうしたらお金が動くか考え、百姓の暮らしがよくなるか考え、あちこちに奉公へ行って、 その働きぶりから段々信用してもらえるようになりとひとつ達成したら次へと、 本当にびっくりするほどの努力と知恵。 母も亡くなり、兄弟で暮らすことが出来なくなったり幼い弟は麻疹で亡くなり自身の長男もたった2週間で逝ってしまうなど哀しいことも続く。 それでもなんとか人々のためにと世の中のためにと身を削る日々が続く。 節約のことなど今の時代の無駄の多さを知ったら悲しみますよね。金次郎。 その思い心に刻みたいと思います。 |