本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。 ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
  ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。
  そのための覚え書きのような簡単感想メモになります。
  評価の☆を付けるのはやめました。

★最近のお気に入り
楽園のカンヴァス  原田マハ
ライアの祈り    森沢明夫
海賊と呼ばれた男  百田尚樹
百年法       山田宗樹
ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ
妖怪アパートの幽雅な日常シリーズ
東雲の途      あさのあつこ
困っている人    大野更紗  
自分のアタマで考えよう  ちきりん
もちろん澪ちゃんシリーズは大好きで新作を待ちこがれています。     
★2013年に読んだ本で好きな本

はかぼんさん
しのぶ梅 晴天の迷いクジラ きみはいい子 路(ルウ)桜ほうさら
さくら動物病院 青空の卵 南下せよと彼女は言う
火群のごとく

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残月 みをつくし料理帖
 待ち遠しかった『つる家』の再開。
読者としたら再会という気持ちです。
前作のラストで吉原の大火により又次が亡くなり、
その哀しみのまま待っているのが辛いほどでした。
でもつる家や皆の日常がそこにありました。
こういうシリーズものは主人公の成長も楽しみでありそれを見守っている気持ちにもなるのですが、
澪の話し方が最初は違和感を感じるほどに変わりました。
いえ成長しようとしています。
又次さんから託された思いが澪を変えたのでしょう。

ああそれにしても最初からおいしそう。
鮎飯に鯵の棒寿司。
食べたいーー

決して手をぬくことなく丁寧に丁寧に料理をする姿。
それをふきちゃんに教え自らは新しい調理法を考える。
大坂で好まれたものが江戸でうけないということも多く経験してきた澪だけど、
高野豆腐もこんなふうになるのですね。

そして澪の胸にいつもあるのは、
あさひ太夫の身請けと天満一兆庵の再建。

澪と野江として再会することがいつか叶うのだろうか。

天満一兆庵の若旦那だった佐兵衛との再会。
芳を苦しめるだけになってしまうかもと思われたけれど。
そんな芳の今後、前向きに描かれます。
一兆庵の女将として生きていたころと少しも変わっていない芳のふるまいが素晴らしいです。
きちんと生きているひとには途は開けるのだと思えます。
だから澪や野江ちゃんも幸せになってもらわなくちゃ。
生きていてよかったと思える人生に。
次回は新たな場面での澪が描かれるのでしょうか。
すでに楽しみです。



| 春色 | ー高田郁 | comments(2) | trackbacks(0) |
島はぼくらと
 瀬戸内海の小さな島、冴島。
そこに暮らす17才の4人の男女。
島を出て行くものも、残るものも。
ともに過ごす最後の季節が海の匂いとともに描かれる。

島に高校がないため、毎日フェリーで高校へ通う4人。
同学年が4人だけだからいつも一緒に通うし一緒に帰る。
夕方4時過ぎにはフェリーが出るから部活には入れない。
とても閉鎖的な環境だと感じてしまうけど、
Iターンと呼ばれ、島へ暮らすようになった人たちも増えてきて、
良くも悪くもいろいろな人に出会う。

網元のひとり娘、衣花。
島をまとめる立場の網元の家のものは島を出ることはない。
ずっと島で暮らしていくのだと小さいころからわかっていても、
高校卒業すると大学進学する他の3人がちょっぴり羨ましく寂しい思いも。
そんな思いを出さないようにしていた。

母と祖母、女3人で暮らす、朱里。
父のロハスに巻き込まれ5才のときに島へやってきた源樹。
少ししか出られないのに演劇部に入っている、新。
脚本を書くという才能に目覚め・・

島へやってくるのは観光客も多いけど、
事情があってひとりで子供を育てるシングルマザーも多い。
そのひとり蕗子との出会い。
小学校で毎年演じられていた劇の真相。
長く島で暮らしてきた祖母や祖父たちの思いや後悔。


こうした島暮らしだけでなく高校卒業とともに地元を出る若者は多いと思う。
仲のいい友達とだってずっと一緒にいられるなんてない。
いつかは別れがある。
でも島という結びつきは強く強く、彼女彼らの心の中にあって、
羨ましいほどです。
なんて素敵な故郷なんでしょう。


| 春色 | ー辻村深月 | comments(0) | trackbacks(0) |
あい 永遠に在り
大好きな澪つくしシリーズの作家さん。
こういう実在の人物を描くこともあるのですね。

さて、私はこういうあまり日の目をあびていない実在の人物の軌跡を追った小説が好きです。
今までも植松三十里さんの小説など、どれも大好きで読んできました。
記録としてあまり残っていないそうなので、あくまでも物語として脚色されているものですが、
その時代背景とともに生きていた人物のことが、
とても愛おしく思えてきます。

関寛斎という、医師でありながら晩年は北海道の開拓に命を燃やした人物。
その妻の『あい』がこの物語の主人公です。

田舎の農家の三女に生まれ、ほとんどは同じ土地で農家として一生を過ごすのだけど、
医師になった男に嫁いだあいは、場所も全国あちこちへ移り住み、
夫の志を傍らで支え続ける。
子供のころ寛斎の母に仕込まれた機織りの技術はどこへ行ってもあいを助け、
百姓生まれの立派な心根は両親や姉から受け継ぎ、
どこへ行ってもくじけることなく進んでいく。
まず第一に夫を信頼しそこには愛が。
夫に限りない援助をしてくれる人物が現れるのも、もちろん寛斎その人物の生き方姿勢によるものだけど、
いつもそこには『あい』が、
離れて暮らしていても必ず『あい』が感じられる。

子供を亡くす哀しみが幾度もあいを襲う。
そういう時代だったのかもしれないけれど、
生きていくだけで精一杯。
どんなに貧乏しても食べるものがなくてもくじけることなく進む勇気。
愛だけでこうも生きられるものでしょうか。

山桃のエピソードが秀逸です。
素敵な夫婦の物語でした。


| 春色 | ー高田郁 | comments(0) | trackbacks(0) |
その日まで
 シリーズもの第二弾。
コーヒー豆と和食器のお店を経営するお草さんをとりまく人たちとちょっとした事件が絡んできます。
真っ当でない方法で商売をしているとどこか心も荒んできませんか。
近くに出来た雑貨店によくない噂が。
だまっていられないのもお草さん。
背景を調べているうちに、巻き込まれ嫌がらせまでされ、
でも、お草の店『小蔵屋』はいつもほっこりそこにある。
いいな。常連になってみたいです。

| 春色 | その他のや行の作家 | comments(0) | trackbacks(0) |
わたしがいなかった街で
 私が今生きている場所で、私が産まれる前にも生きていたひとがいる。
65年前の終戦の年に書かれた日記を手にし、今と昔が交差する。
戦争が明日終わるのに知らずに死んでいった人たちがいた。
過去は遡って感じることができるけれど、
先のことは誰にもわからない。
戦争を知らなくてもその悲惨さを忘れることなく伝えていきたい。
明日にはもしかしたら会えなくなっていしまうかもなんて。
大事なひとを思い日々を生きよう。

| 春色 | その他のさ行の作家 | comments(0) | trackbacks(0) |