本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。
ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
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ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。 |
昨日のカレー、明日のパン
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2013.05.30 Thursday 09:35
25才という若さであっけなく亡くなってしまった夫、一樹。 嫁のテツコ。 一緒に暮らし続ける一樹の父、ギフ。 義父をギフさんと言わせるあたり心にそっと染みてきますね。 一樹が亡くなってから7年。 近しい人の死はそれは哀しいものだけど、 日常を送る毎日に共生している。 ただただ日々を送ってきたふたりに流れている時間。 人は変わっていく。 それがいやではないと思える。 くすって笑ってしまう場面も多く癒されました。 |
書店ガール2
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2013.05.28 Tuesday 17:43
ブログに読書に記録を載せているくらいなのでかなりの読書好きな私ですが、 ネットで買うよりやっぱり書店で本を手にとって購入するのが好きです。 いつも本屋さんへ行くとあれもこれも読みたくなってしまって困ってしまうのが悩みです(^^; 本屋さんが大好き。 そんな本屋さんの裏側、いろいろな事情が垣間みられてとても面白いです。 1巻では熱心なあまり問題を起こしていた印象の亜紀がなかなかいい書店員になっています。 閉店してしまった書店から大手チェーン店へ転職した亜紀と理子。 理子は早速店長として奮闘しています。 今回の部下は、博多本店から副店長としてやってきた田代。 地元に妻子を残して単身赴任です。 この田代がやり手でまた理子のためと動いてくれるので絶対理子に気があるなとわかるのですが、 これがまた妻子がいるのですんなり行くわけに行かず。 理子もいい感じなのにね〜 亜紀の方は仕事がおもしろくなってきたところで妊娠。 夫と意見が合わず、仕事と家庭と、働く女性にとっても夫婦としても難しい問題ですね。 大手チェーンや個人店や、書店のあり方もそれぞれだけど、 本が好きという気持ちはくかわらなくて、 盛り上げようとする気持ちがあるイベント開催に向けて動き出す。 いい展開でした。 |
路(ルウ)
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2013.05.27 Monday 14:06
その周辺の人たちの暮らしぶりや温かさがどの場面からも溢れています。 スケジュール通りに進まないことやいくつかの問題も出てくるけれど、 悪人はいないようです。 プロジェクトの中心になる大井物産に勤務して4年目の多田春香は、 恋人の繁之を置いて台湾へ異動になる。 同じく異動になった安西誠。 その他現地採用の台湾の人たち。 日本で妻を亡くしてひとり暮らしの葉山勝一郎は60年前台湾で暮らしでいた。 春香は6年前ひとりで訪れた台湾で偶然出会って街を案内してもらった青年を忘れられずにいた。 もらった連絡先をなくしてしまい連絡することができずずっと心に残っていたのだ。 でも手掛りは少なく、時間も経ってしまっているため、 あの時の気持ちが愛情からなのか、単なる旅先での出来事なのか、 自分でもうまくわかないまま、仕事に情熱を燃やしていた。 そんな春香の思いを知った友人から友人へ伝わり、 その時の青年人豪が、今は日本で働いていることがわかる。 そしてついに8年ぶりに会うことになるのだが。 恋人である繁之は鬱のような状態になり入退院を繰り返す状態に。 春香はいったいどうしたいのだろう。 ドラマチックな物語だったら、8年前にたった一度会っただけの彼と再会したとたん愛が燃え上がりとなるのかもしれないけれど、 ふたりはとても冷静です。 冷静すぎるくらい。 自分がどうしたいのか悩んでいるのもわかる。 台湾勤務になってとまどっていた安西誠は、現地でユキという子と知り合い、 日本に妻子がいながらちゃっかりうまく行っているし。 まあ安西さんもいい人そうなのでよかったね。って思えるのだけど。 とにかく新幹線開通のプロジェクトも多難ありながらも進んでいき、 開通の時を迎えます。 勝一郎は60年ぶりに台湾を訪れ、ずっと後悔があった友人へ謝罪の言葉を言うことが出来た。 台湾のひとたちって日本の震災にもいち早く対応してくださったイメージがあって、 とても良いお国柄だと思っていました。 この物語でもそんな台湾のひとたちの人情を多く感じることができます。 台湾に行ってみたいな。 | ||
シヴェルニーの食卓
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2013.05.24 Friday 17:31
JUGEMテーマ:読書 楽園のカンヴァスが記憶に新しいですが、 実在の画家それぞれ身近にいたひとの視点で描かれた短篇です。 家政婦からみたマチス。 ライバルの女性画家から見たドガ。 画材商の娘からみたセザンヌ。 義理の娘から見たモネ。 美術にあまり詳しくない私でも名前を知っている画家たちばかりです。 それぞれの若き頃、晩年、まるで原田さんもそばにいて見ていたかのような 詳細な生活の様子が語られます。 絵画も合わせて見たいと思っていたら、 なんと電子辞書版では絵画の画像も収録されているようです。 本は紙でと、思っていますが、こういう利点もあるのですね〜 |
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
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2013.05.20 Monday 17:40
発売の日に行列ができる作家さんなんてすごいですよね。 やっぱり読んでおかないと。 あっ行列はしていません。 なんとも不思議な題名がまずはインパクト大。 覚えにくいですが、これは読んでみたらなるほどと思えます。 高校時代に仲がよかった5人組。 赤松、青海、白根、黒埜、 と、多崎つくる。 確かにつくるだけ色彩がない。 大学2年のときに突然もう会わないと言われ、 死を考えるだけの日々を送った。 その後就職をしてかろうじて生きてきたようなので、 かなり暗い内容になるのかと思いましたが、 読んでいてそれは静かに案外心地よく流れていきました。 彼だけが知らなかった事実が彼を苦しめた。 青春時代のわりとよくある設定なのに いろいろ印象に残る言葉を使っているので新鮮な感じがします。さすがというところでしょうか。 |