本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。
ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
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ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。 |
ストーリー・セラー
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2011.02.27 Sunday 00:18
有川さんの作品は、私には好きなもの好きじゃないものがはっきりわかれてしまうのだけど、 これは好きです。 とっても哀しいので、読んでハッピーになれるものではないけれど。 小説家の奥さんに夫という構図で、Side:AとBふたつの話があります。 大学時代に酷評されてしまった為、自分の書く小説に自身がなくなっていた女性。 偶然(強引だけど)にも、彼女の小説を読んだ同じ会社の男性が絶賛し、 書いた小説を読んでもらって感想を聞いてという付き合いが始まり、 結婚。 幸せな日々を送っていたが、 ある賞を取って、本格的に小説家としてデビューしてから、 何かが変わってきた。 ふたりの愛は確かなのに、 彼女の両親や親戚、大学時代の彼らも足を引っぱり、 彼女を苦しめることになる。 このだんなが、ありえないくらいいい人なんだけど、 小説を読むのが好きで、 自分の奥さんが、そんな一番好きな小説を書く人だという事実は、 テンション上がるだろうな。 あっという間に、生き抜いてしまった奥さん。 書き手と、読み手の気持ちがとても共感できました。 読書が好きで、次々と読むひとの気持ちも、 私と同じでした。 ベストセラーでも自分にとって外れのこともあるし、 その逆もある。 ただ自分が楽しめないものはどんどん流していってさっさと次を当たって好きなもん面白いもん見つけたい。 私もまさしくこれです。 書き手に対して失礼かもしれないと思っていたけれど、 やっぱり、どんなにいいという人がたくさんいても、 よくないという人もいるのです。 Side:Bは、すでに小説家として活躍している彼女と知って付き合いはじめ結婚。 そして、こちらは夫が死ぬらしい・・・ 自分の好きな小説を書くひとに実際に会ったら確かにテンション上がる。 どちらの話も、読むのが好きな夫のテンションの上がり方がおもしろいけれど、 ほんとわかります。 夫婦のどちらかが亡くなるって話が二話。 哀しいのだけど、思ったほど泣けなかった。 死ぬのだとわかって読んでいたからか。 | ||
回転する熱帯
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2011.02.26 Saturday 00:50
ベトナムで日本語教師をしている女性の話。 ベトナムでの暮らしぶりが興味深いけれど、 話の展開は、ユンという女性と惹かれ合っていく話。 確かに、くるくる回転してるわ。 よかったら↓ぽちっとお願いします。 JUGEMテーマ:本の紹介 | ||
ふがいない僕は空を見た
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2011.02.24 Thursday 00:22
本の雑誌が選ぶ2010年度の第1位。 帯によるといろんな人が絶賛しているらしい。 ここまで書かれたら、読まないわけにはいかない。 しかし! 巻頭からいきなり、主婦とコスプレセックスに励む高校生の登場。 あれま〜そういう話だったのかと、 後ろの帯を見たら、 「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞作だそうで、 確かにR-18だわという描写が続きました。 主人公の高校生の斉藤くんから、 相手の主婦、同級生、母親、連作短篇でそれぞれの行動が主役になります。 助産院をしている斉藤くんの母親はかっこいいな。 しかし全編題名の『ふがいない僕が空を見た』のひとことにつきる。 | ||
夏の魔法
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2011.02.22 Tuesday 21:22
哀し過ぎる運命の女性の物語。 ケルトナー症候群(架空の病気だそうですが)という早く年をとってしまう病に冒された、夏希。 22才なのに、見た目は老婆のよう。 先が長くない夏希は、最期の夏を想い出の南の島で過ごしたいと、 ひとりでやってくる。 そこは、中学生のころ初恋の男の子と過ごした場所。 同じ中学で出会って、お互い惹かれ合っていくものの、 そこは中学生、かわいい恋の物語はこれから始まるはずだった。 しかし、転校後病を発症し自分の姿を見られたくない夏希は、 連絡を取ることを避けるよになる。 イルカが好きだった夏希の想い。 想い出の民宿。 想い出の海辺。 そこに、 会うつもりはなかった初恋の人、ヒロがアルバイトで来ていた。 しかし、仮名で老婆のようになった夏希に気づくはずはない。 前半のこの展開でうるうるの私は、 ヒロが夏希に気がつくその時を考えて更にうるうる。 悪いひとは出てこない。 民宿でバイトしている若くてかわいい沙耶が、将来の夢を語るたび、 自分にはもうない未来を思い、 顔に出さずとも、どれほどの嫉妬や哀しみが渦巻いただろう。 もしかして、かわいい顔して沙耶が何かしでかすのではないかと思っていたのですが、 思いがけない展開になってしまいました。 ネタバレになってしまいますが、 本当は、 こんな姿になっていたとしても、ヒロ自ら、夏希のことに気がついてほしかった。 ペンダントからでもいい。 夏希が罪を犯す前に・・・ よかったら↓ぽちっとお願いします。 JUGEMテーマ:本の紹介 |
風のマジム
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2011.02.18 Friday 00:40
今回も、沖縄産のラム酒を造るために奮闘した、 金城祐子さんがモデルです。 それでも、あくまでも彼女の体験談を元に書いたフィクションだということです。 沖縄那覇で育ったマジムは、おばあの薦めで大学の4年間は東京で過ごしたものの、 地元に帰ってきて派遣社員として、通信系事業を幅広く展開する企業に務めている。 実家は古くからの豆腐やで、今はおばあと、おかあで店を切り盛りしていた。 いずれは豆腐やを継ぐつもりでいたマジムだが、 いつも行く桜町劇場のカフェバーでおばあにラム酒を教えてもらった時から、 ラム酒の虜になる。 さとうきびを原料とするラム酒が、 さとうきびの産地で造られていない事実。 折しも会社で、社内ベンチャー事業コンクールが開催されるということで、 新規事業として、ラム酒を造ることを提案。 そこから風の酒、ラム酒が生まれるまでのマジムの奮闘。 沖縄の独特な言葉が織りなす空気。 違う土地のものからしたら、少しだけ違和感があるのだけど、 土地に染み込んだものがたくさんあるのですね。 それでも、沖縄本島と、その他離島とは違うらしいというのも、 他県民からしたら不思議です。 カフェバーの吾郎さんとの恋の進展はなかったけれど、 少し作ってほしかったな。 その他、ちょっとむかつく上司もいたけど、 みんなマジムを応援して、同じ夢に向かって突き進む。 気持ちのいい物語でした。 | ||