本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。
ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
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ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。 |
小さいおうち
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2010.09.25 Saturday 00:18
長く奉公した平井家での出来事を、おばあちゃんになったタキさんが回想し書き留めています。 間に、甥が盗み読んでいて、嘘を書いたらだめだとか、 おばあちゃんに指摘するのですが、 一般に知られている戦争前後の人々の暮らしと、タキさんが話す暮らしが違いすぎるのですね。 戦争があったあの時代に、そんな呑気なわけがないと。 呑気だったわけでもないでしょうが、 実際の戦渦の大変さは中々伝わっていなかったのでしょう。 美しい時子奥様と、かわいいお坊ちゃま。 絵に描いたように想像できます。 時子奥様と固い信頼関係を築いてきたのに、 たったひとつタキさんが自分からしたことが、 絆を分つことになってしまう。 折しも戦争が内地決戦に及ぶころやっと故郷に帰ったタキは、 再び平井家の人々と会うことは出来なかった。 戦争で亡くなった多くの命には、こういう普通に暮らしていた人たちも多く含まれているのですよね。 物が多くなかった時代だからこその工夫や楽しみなど、 時子奥様とタキさんの暮らしがとても生き生き描かれていました。 小さいおうちという表現がぴったりです。 | ||
1Q84 Book3
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2010.09.23 Thursday 20:18
でも読み始めたら、すんなり1Q84の世界に入りこめました。 今回は、お互いを求め合う、天吾と青豆それぞれの視点に加え、 天吾を監視する、牛河の視点も描かれています。 登場人物が少ないから長編でも、わかりやすいのでしょうか。 身を隠す青豆の世話をするタマルは、人間ぽさがなく異質な存在。 でも考えてみたら皆、異質で謎だらけ。 宗教団体もそうだし、青豆の顧客だった老婦人も、ふかえりも。 中でも青豆が一番謎。 あーあのリトルピープルはなんなの。 でも、探し会って求めてやっと会えたふたりがしたことは、 普通の恋人たちと同じで、 最後にこれは、恋愛小説だったのかと思いましたが、 これでよかったのでしょうか。 何か劇的な最後を想像していただけに、ちょっと物足りなさがあります。 | ||
世界でいちばん長い写真
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2010.09.21 Tuesday 00:58
最近、中高生くらい子が主人公の小説だと思うと、 ちょっと甘酸っぱすぎて共感できなかったりしたのですが、 これはよかったです。 仲良しの友だちが転校してしまってから、 元気も自信もがなかった少年が、 自分を取り戻すまで。 お祖父ちゃんのリサイクルショップで見つけた360度パノラマが撮れるカメラ。 写真部員でいながら、自分の気に入る写真が撮れなくて、 部長の三好さんや、リサイクルショップを手伝う従姉妹の温子おねえちゃんに押されっぱなしなやりとりが、コントのようでおっもしろい。 文章が生き生きしている。 思わず声を出して笑った場面も多々ありました。 これは実際にギネス記録にもなった世界一長い写真を撮ったかたの話がモデルだそうです。 人前で話すことも苦手だったのに、 学校全体を動かしてやりとげた行事。 感動的でした。 やったね。 よかったら↓ぽちっとお願いします。 JUGEMテーマ:本の紹介 | ||
つばさものがたり
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2010.09.20 Monday 00:53
クローズド・ノートも大好きだったけれど、 これはまた、泣ける小説の誕生です。 君川小麦、26才、パティシエール。 『こむぎ』ってかわいい名前がぴったりくるような雰囲気の子なんだろうな〜 小麦ちゃん。 有名菓子店で修行をして、実家のある土地でケーキ屋さんを開店。 この若さで、独立するなんてスゴいと思うけれど、 小麦には急ぎたい理由があったのです。 母と兄、義理姉に助けてもらって小麦のケーキ屋は始まった。 もうひとりの主人公である、兄の子供の叶夢くん。 自閉症かもと言われてしまうように、 少し他の子供と違う面があり、 友だちと遊ぶこともあまりない。 でも彼には、天使のレイが友だちなんだ。 私にも天使が見えたらいいな〜 オーラがおいしいって言ってもらえるような生き方をしなくちゃね。 小麦が必死に家族に隠していたこと。 もう、早く言って家族の助けを借りたほうがいいよ。って何度も思いました。 ひとりで苦しむことなんてない。 家族に甘えていいのに。 真実を知ったあとの、家族の思い。 特に義理姉の決意はかっこ良かったですね。 | ||
悪と仮面のルール
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2010.09.19 Sunday 00:19
子は親を選べないと言うけれど、 親から、多大な影響をそれも悪の影響を受けてしまったひとりの男。 だた普通に生きることを許されなかった男がいた。 物語だから、どきどきしながらも安心して読めるのだけど、 いったいこの先どんな悪が待っているのだろうと、 どきどきしながら読み進めました。 ところが、それれほどの悪ではなかったような。 ちょっと残念。 |