本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。 ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
  ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。
  そのための覚え書きのような簡単感想メモになります。
  評価の☆を付けるのはやめました。

★最近のお気に入り
楽園のカンヴァス  原田マハ
ライアの祈り    森沢明夫
海賊と呼ばれた男  百田尚樹
百年法       山田宗樹
ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ
妖怪アパートの幽雅な日常シリーズ
東雲の途      あさのあつこ
困っている人    大野更紗  
自分のアタマで考えよう  ちきりん
もちろん澪ちゃんシリーズは大好きで新作を待ちこがれています。     
★2013年に読んだ本で好きな本

はかぼんさん
しのぶ梅 晴天の迷いクジラ きみはいい子 路(ルウ)桜ほうさら
さくら動物病院 青空の卵 南下せよと彼女は言う
火群のごとく

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ファミレス
 久しぶりのちゃんとした物語を読んだ気がします。
重松氏の小説は家族の誰かが亡くなっての再生物語が多いように思いますが、
今回のは亡くなりませんよ。

男三人の友情ものであり、料理を通じて人生を語っちゃいます。

中学教師の宮本陽平はこの春から妻美代子とふたり暮らしになった。
長女が去年就職で、長男が今年大学進学で家を出たから。
結婚してすぐに子供が出来た夫婦には20年余り経って初めて新婚のような雰囲気、という甘い状況というわけにいかず・・
ある日家で妻の署名入りの離婚届けを見つけてしまう。

雑誌編集長の武内一博は、子供のころから親の言うまま中学受験をしたりでガリ勉と呼ばれあまり友人付き合いもなかったが、『おとなの深呼吸』とうい雑誌を手がけ公私ともどもこだわりを信条とする生活だ。
しかし妻の桜子は、5年前実母の介護を理由の京都に行ったまま帰ってこない。

一博の小学時代の同級生の小川康文は、地元商店街で総菜屋を営む。
バツイチだけど、4才の真を連れた麻里と再婚。
総菜屋を仕切る姑の小春とうまくいかず、マリちゃん号という移動販売で総菜を売っている。

その他、陽平の教え子、ドンこと井上くんは、父親がベトナムに単身赴任中に母が不倫相手と一緒のところ事故にあい入院中という複雑な環境。
父親の母である正子が来ているが。

総菜屋である康文が作る料理はもちろん、陽平も一博もいわゆる男の料理を楽しみます。
その男の料理教室で新しい講師、エリカ先生と会ったらこれまたびっくりの展開。
娘のひなたちゃん共々、かくまってほしいと一博の家に住むことに。
ひなたちゃんの元だんながしつこく迫るのがいやで隠れたいと。
このエリカ先生の小手先料理っていうのがびっくりですね。
まあ主婦していたら手を抜くとこは抜いて小手先になることもありますけど、わざわざ教えるほどでは・・

それぞれ家庭の事情もあり、震災以降の心や状況の変化あり、日常の暮らしは変化する。
でもどんな時もお腹は空くしおいしいもの手間ひまかけた料理は美味しくて心に残る。

おばあちゃん世代の小春と正子の厳しさも長い経験から自分の信念を曲げなくて若い人たちには厳し過ぎると感じるけれど、いや実際自分の姑だったらいやだけど、優しさを思い出したらうまくいくのね。

子供が巣立ったときとかだんなさんが定年を迎えるころなど熟年離婚も多いようですが、
そうしたら何のための結婚だったのだろうと思います。
確かに私も主婦の立場って、家政婦と同じじゃないかと不満に思うときもあります。
若いころのように愛情だけで生活できないし、夫婦ふたりの時間が充実したものになるような努力が必要です。
誰かのためにつくる料理が美味しいように、誰かと生きていくことの喜びを今後も持っていたいと思います。

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幼な子われらに生まれ
再婚同士の結婚。
妻の二人の娘と暮らすことになり、
夫は、元妻の所で暮らしている娘と年に4回会っている。
そのことに再婚した妻や娘はよく思わなくなり、
夫は、両方の娘をつい比べてしまい、気持ちの持っていき方に迷いが出てくる。
そんな中、妻の妊娠がわかる。
微妙な空気に拍車がかかり、
事態は悪くなるばかり。
家族として、どう接していったらいいのか。
本当の家族になれる日は来るのか。

重松さんお得意路線です。
しかし、暗い、痛い。
読んでいて辛くなってしまいました。

再婚でも幸せになることは出来るはず。
がんばって。







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小学五年生
小学五年生の男の子を、『少年』として主人公にした短編集。
17もの短い物語がありました。
自分のことなんてはるか昔のことですが、
いきなり最初の物語で、自分と似た境遇の子が出てきてびっくり。
その後のことが書かれていなくて残念ですが、
一気にその頃の気持ちを思い出しました。

低学年のころのような無邪気さがなくなってきて、
少しだけ大人の気持ちを読むようになって、
周りを気にして、
家族や友だちの変化に敏感になって、
自分と違うものを察して不安になる。

ここに出てきた少年たちが抱えていた不安は簡単にはなくならないだろうけれど、
人生、上がったり下がったりしながらだけど、
生きてほしいなと思います。

親の立場として過ごしたころはどうだっただろう。
親子共々、楽しんでいたように思うけれど、
今度、子供たちに聞いてみようかな。








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あすなろ三三七拍子
廃部寸前の応援団を助けるため、
社長命令で、その大学に入学することになった藤巻大介。
社長はその応援団の伝説のOBで命令は絶対だ。
とにかく応援団に入るしかない大介は、
45才にして、学ランを来て大学の門をくぐる。

現代では考えられない習慣がどっさりで、
今の若者が敬遠するのもわかるけれど、
まずは新入部員の勧誘。
OBの息子である健太が入部したのはよかったけれど、
あとは、
何故か大介の娘の恋人、翔までも入部。
今どきの言葉遣いや態度の翔に振り回されながらも、
その他、チアリーダー、顧問、強制的に入部させられた女子も3人も絡み、
応援団生活は続く。

どこまで行っても重松節。
結構長編で、いつもの重松作品だったら飽きるってことないのに、
前半で実は挫折しそうだった。
応援団でなく、私が。







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星に願いを
 1995年から2000年まで、同じ時を生きるけれど、
全然別の3人の主人公と家族。
それぞれに繋がりがないし、単に出来事を追っているだけという感じ。
実際の事件や事故が出てくるので、
その頃、自分はどうしていたかと考えながら読みました。
阪神大震災や、地下鉄サリン事件、
あの大きな出来事の頃から時は始まっています。
実際に当事者でなく、ラッキーと言っていいのか、
普通に暮らしてたはずの、
明日があるのが当たり前だと思って生きていた人の時間が止まる。
いろんな人生があって、
それぞれの生き方があって、
重松氏の書く小説は、いつもいろいろと考えさせられますが、
今回はあまり心に響くものがありませんでした。
あまりに淡々と書かれているからでしょうか。







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きみ去りしのち
 今回も、重松節が炸裂しています。
重松氏は、こんなに誰かの死のことを書いていて、
辛くならないのだろうか。
あまりの哀しみに心が壊れてしまいそう・・

1才の誕生日を迎えて1週間後に、突然死んでしまった息子。
あまりに短い人生に、
親として後悔ばかりが募る。

母親は、もしも・・していたらと考え
父親は、何故・・しなかったのかと、考える。
どんなに心砕いても、戻ってこないのだ。

父親は、旅に出る。
逃げているのかもしれない。
でも遠くに行くことでいろんな出会いや想いが生まれる。
15才になった最初の結婚の時の娘が何故か付いてきて、
一緒に旅をする。

どんな死も哀しみがあるけれど、
子供を亡くした親の気持ちは辛い。
辛すぎる。
少し前に、知人の息子さんが亡くなったけれど、
かける言葉が見つかりませんでした。

身内を亡くしたひとが多く登場します。
知人の不注意での事故で子供を亡くしたとき、
あ〜もう辛いという言葉しか浮かばない。
もしも・・と、考えることは詮ないことだけれど、
考えても考えても出ない答え。
それでも、答えが出ない旅(人生)を続けるしかないのです。

そして、元妻のように、余命わずかと悟ってからの日々。
突然の死はもちろん辛いけれど、
わかっていても、辛い。

誰もがいつかは死ぬ。
受け入れたくはないけれど、
神様、どうか幼い子供の理不尽な死は勘弁して。










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十字架
 一気読みしたことを思えば5つ星だけど、
こういう内容はあまりに辛くてたまらなくなります。
誰もこの重い荷をおろすことは出来なかったから。

中学二年、いじめを苦にしてひとりの少年が自殺した。
遺書には、いじめをしたふたりの名前と、
親友の名前と、
好きだった女の子の名前が書かれていた。

親友と名前を書かれた少年、真田裕は、
自殺した藤井俊介くんのことを幼なじみではあるけれど、
中学になってからはあまり話もしなかったし、
知らないことも多く、親友だとは思っていなかった。

自殺した日が誕生日で、電話がかかってきたのに
簡単に断って切ってしまったことにずっと責任を感じている、
中川小百合さん。

いじめを実行したわけではないけれど、
助けなかった。
何もできなっかた罪を背負い続けてふたりは生きていく。

亡くなった俊介くんの、お父さん、お母さん、弟の態度も気持ちも、
今思い出しても泣けてくる。
当然といえば当然の行動だし、
俊介くんは俊介くんでしかない。
替わるものなんてあるわけがないのだから。

中学二年までの14年間で、思い出が止まってしまった俊介くんと違い、
裕と、小百合は、高校生になり大学生になり人生は進んでいく。
そして結婚して、子供を持つようになり、
あのことを忘れる日があっても、
やっぱり十字架を背負って生きていく。

事件や事故やどんな場合にしても、子供を亡くす親の気持ちを思うと辛いです。
まして自殺。
ずっと子供を監視していることなんて出来ないし、
学校へ行ったり、友達と過ごしたり、家の外でのことは信じるしかないのです。
子供が話してくれることを信じるしかないのです。
子供からの危険信号を察してあげないとと、
カウンセラーなど先生方が言うかもしれないけれど、
そんな時ほど、必死に隠して親に兄弟に知られないようにしているかもしれないのです。
何がきっかけで、死の扉を開けてしまったのか。
考えても考えても答えの出ないことなのかもしれません。














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再会
 
大人になると、子供の頃のことが苦く思い出されることがある。
何でも出来ると思っていたあの頃。
ずっと続くと思っていた友情。

でも、少しずつ変わっていく未来。
失敗は誰もある。

6つの短篇集だけど、出てくる子供時代がどれもこういうことってあったよね。
ってわかるものばかり。
こういう心情を描くのが本当にうまいですね。

一生懸命やってもうまくいかない。
子供のころ思っていた未来になれなかったと嘆くより、
もっと出来ることはあるのだと、
今、生きていることの深さを確かめるために、
時には子供時代と再会することも意味があるのでしょう。

人生の長さはわからない。
それでも、
それぞれ大事な道が、人生が広がっていくのだと思って生きていきたい。

重松氏の作品はいつもいろいろなことを思い出させてくれ、考えさせられます。







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かあちゃん
 『かあちゃん』いい響きです。
おかあさんでも、ママでもなく、かあちゃん。

ここに登場するかあちゃんの生き方に本当の母の強さを感じます。

夫が運転中の事故により、同乗していた上司が亡くなった。
夫も亡くなってしまったのだけど、
上司の家族に、詫びて詫びて詫び続けたかあちゃん。

ただ詫びるだけでなく、
毎月のお墓参りに、送金、そして一番は忘れないこでいること。
夫の生命保険のお金もすべて上司の家族に渡し、
親戚も頼らず、一人で仕事を捜し、
いくつもの仕事を掛け持ちし、
そしてそして、自分で決めた約束は・・

笑わないこと

自分が笑う時間を持つことが申し訳ないと、
お金にならない、ボランティアや町内の用事も勧んで引き受ける。
自分のための時間すら持つことすら赦さない。

それを、倒れるまで・・20数年です。

亡くなった上司の娘は、当時こそ恨んでいたけれど、
今はもう・・
そして息子の悩みから物語は、
息子の友達、先生へと、かあちゃんの想いが繋がれていきます。

償いのひとつは、忘れないこと。


かあちゃん、これからは笑っていいんだよ。
もっともっと長生きしてね。










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青い鳥
 まるで『きよしこ』の少年が大人になったかのような村内先生。

臨時教諭としてあちこちの中学へ行く村内先生は、
国語の先生なのに、吃音がある。
どもってしまって何を言っているのかわからないという生徒達に、
「先生はうまくしゃべることが出来ないから、
たいせつなことしか言わない」

そして出来るのは、そばにいることだと言う。

村内先生を必要とする生徒の元へ行って
そばにいることが仕事。

多感な中学生たちの悩みや痛み、
簡単には解決しないけれど、
村内先生に会えてよかったよね。






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