本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。
ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
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ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。 |
翔ぶ少女
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2014.01.20 Monday 15:24
阪神大震災のときのこと、 きっとこれくらい時間が経たないと書けなかったのではないかと思うほどのリアルが描かれています。 まだ読むのが辛いひともいるのでは。 地震と縁がきれない世の中で、 多くのひとの命を奪い、残された人たちの悲しみ。 それでも生きていく強さ。 神戸市長田区でパン屋を営む家族。 店の下敷きになり火の手が迫り両親を助けることができなかった。 残された3人の子供たち。 偶然近くにいた医師のゼロ先生に助けられた3兄弟は先生の養子となり共に生きていく。 翔ぶ少女って意味がとっても奇跡でファンタジーなんだけど、 がんばっているこの子らにこんな奇跡。 与えてあげてありがとう。って気持ちです。 なんて強く生きているのでしょう。 あんなにも幼かった子らが。 きっと両親は微笑んで見てる。 |
いと 運命の子犬
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2013.11.29 Friday 15:29
きちんと読めました。 介助犬になれなかったのではなく、ならなかった子犬のいと。 犬たちは賢い。 教えられることがたくさんある。 負けずに生きていかなくちゃ。 泣いてなんていられない。 | ||
#9
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2013.11.10 Sunday 13:38
美術館員の経験がある原田さん、最近特に美術関連の小説が多いですね。 東京でインテリアアートの販売員をする真紅。 ある日見ず知らずの中国人紳士から電話番号を渡され、 その番号だけを頼りに中国へ渡る。 ちょっと考えられない展開ですが、 見えない糸に導かれるように再会するなんて、 なんてロマンチック。 これぞ大人の恋愛物語。 中国で過ごした真紅の日々はまるで夢物語。 |
ユニコーン ジョルジュ・サンドの遺言
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2013.10.01 Tuesday 11:42
得意分野みたいなので原田さんは美術物が続きますね。 巻頭から貴婦人と一角獣の美しい挿絵で始まります。 しばらく眺めているとその時代に迷い混んでいくような気分。 そして物語はサンドのお葬式の場面。 その後少し戻り、サンドが子供たちを連れてブサックの城へ行くことになり このタピスリーを初めて眼にすることになった頃の話に。 城の中で多くのタピスリーを見つけその不思議な力に魅せられる。 夫を亡くし子供もいない城主のポーリーヌは一族最後の貴婦人として数人の使用人と共にひっそりと暮らしていた。 タイムマシンかなにかでその時代を覗いてこられたらどんなにおもしろいでしょう。 行ってみたい時代がいろいろありますね。 でもこうして物語になって蘇ってその時代を体感できるなんてなんてステキなのでしょう。 美術品には命が通っているという思いもしました。怖いくらいに。 |
総理の夫
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2013.08.11 Sunday 10:00
総選挙も終ったばかりで現実とクロスしそうな内容。 若干42才、しかも女性初の総理大臣となった相馬凛子。 その夫さんの目線での物語です。 伝説のスピーチライター久遠久美もさりげなく登場し、 原田さん小説のファンとしてはうれしい限り。 政治の世界は不透明というかよくわからない部分が多いですが、 こちらはとりあえず物語。 こんな総理に日本を変えてもらえたらな〜って。 過労で倒れないか心配になってしまうけれど、 とにかく応援したくなります。 うらやましい立場でもあります。 夫の家は財産家だし、凛子自身美人でかっこよくてすべて持っていますよね。 その上誠実で正義感に溢れそりゃあ好感度抜群だわ。 思わぬ裏工作で総理になったと知ってからも、凛子はブレません。 最後思いがけない展開になりましたが、 必ず国民が理想とする日本を作ってくれる。 凛子に期待します。 | ||
シヴェルニーの食卓
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2013.05.24 Friday 17:31
JUGEMテーマ:読書 楽園のカンヴァスが記憶に新しいですが、 実在の画家それぞれ身近にいたひとの視点で描かれた短篇です。 家政婦からみたマチス。 ライバルの女性画家から見たドガ。 画材商の娘からみたセザンヌ。 義理の娘から見たモネ。 美術にあまり詳しくない私でも名前を知っている画家たちばかりです。 それぞれの若き頃、晩年、まるで原田さんもそばにいて見ていたかのような 詳細な生活の様子が語られます。 絵画も合わせて見たいと思っていたら、 なんと電子辞書版では絵画の画像も収録されているようです。 本は紙でと、思っていますが、こういう利点もあるのですね〜 |
星がひとつほしいとの祈り
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2011.03.09 Wednesday 08:27
短編集だけど、どれもとても深い。 『夜明けまで』 大女優の母が亡くなり、遺言だという遺骨をひとつ持っていった場所。 情景がすごく浮かんでくる。まだ物語が続く感じもします。 表題の『星がひとつほしいとの祈り』は泣けた。 ホテルに呼んだマッサージ師から聞いた話。 裕福な家に生まれ、世話をしてくれた女性との話。 戦前、戦中、戦後へと目まぐるしく変わる時代。 淡い恋もあった。 ただひとつ星がほしかった。 すべて女性が主人公で、母として娘として、 人生の岐路に立つ。 やっぱり人は温かい。 いいなと思える物語ばかりでした。 | ||
風のマジム
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2011.02.18 Friday 00:40
今回も、沖縄産のラム酒を造るために奮闘した、 金城祐子さんがモデルです。 それでも、あくまでも彼女の体験談を元に書いたフィクションだということです。 沖縄那覇で育ったマジムは、おばあの薦めで大学の4年間は東京で過ごしたものの、 地元に帰ってきて派遣社員として、通信系事業を幅広く展開する企業に務めている。 実家は古くからの豆腐やで、今はおばあと、おかあで店を切り盛りしていた。 いずれは豆腐やを継ぐつもりでいたマジムだが、 いつも行く桜町劇場のカフェバーでおばあにラム酒を教えてもらった時から、 ラム酒の虜になる。 さとうきびを原料とするラム酒が、 さとうきびの産地で造られていない事実。 折しも会社で、社内ベンチャー事業コンクールが開催されるということで、 新規事業として、ラム酒を造ることを提案。 そこから風の酒、ラム酒が生まれるまでのマジムの奮闘。 沖縄の独特な言葉が織りなす空気。 違う土地のものからしたら、少しだけ違和感があるのだけど、 土地に染み込んだものがたくさんあるのですね。 それでも、沖縄本島と、その他離島とは違うらしいというのも、 他県民からしたら不思議です。 カフェバーの吾郎さんとの恋の進展はなかったけれど、 少し作ってほしかったな。 その他、ちょっとむかつく上司もいたけど、 みんなマジムを応援して、同じ夢に向かって突き進む。 気持ちのいい物語でした。 | ||
本日は、お日柄もよく
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2010.09.17 Friday 00:55
やっぱり原田さんの小説大好き。 今回は、恋愛ものでも闘病ものでも動物ものでもないのに、 なぜか全編泣きっぱなしでした。 幼なじみの結婚式で、長くておもしろくないスピーチを聞いていて眠くなってスープに顔を突っ込んでしまう。という大ハプニングを引き起こした、こと葉。 そこで出会った久遠久美という伝説のスピーチライターが、 こと葉の人生を変えた。 久美のスピーチに感動したこと葉は、 友人の結婚式で始めてスピーチをすることになり、 久美の指導を受けることに。 その後どんどん、言葉のもつ魔力に魅せられていく。 幼なじみの厚志くんの父親が政治家だったのだけど、 志半ばで他界、母もその前に亡くなっており、 こと葉の家族とは、家族同然の付き合いをしていた。 有名な俳人だという、こと葉のおばあちゃんもステキ。 アメリカ大統領のオバマ氏が、スピーチが上手でライターが書いているという話は、以前に聞いたことがありましたが、こういう仕組みになっていたのね。 いかに言葉が大事か、改めて感動です。 私は人前で話すことが苦手ですが、 もっと言葉を大切にしなくてはいけないと思いました。 心からの真実の言葉には、大きな力がある。 登場人物がみんなかっこいい。 もうひとりのスピーチライターわだかまもね。 いい感じ。 久美の母親の遺言。 厚志の父親の思い。 義母を亡くしたばかりなので、特に心に響いたのかもしれません。 多くのひとに読んでもらいたい本です。 よかったら↓ぽちっとお願いします。 JUGEMテーマ:本の紹介 | ||
インディペンデンス・デイ
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2010.06.16 Wednesday 00:32
今回は、1歩踏み出そうとする女性たちの短篇集。 前の短篇に出ていたひとが次の章で、主人公になっていたり、 連作になっています。 川のむこう川へ行ったら人生が変わると思っていた菜摘。 平凡な人生と、華やかな人生の境界線だと感じていて、 川を越してひとり暮らしを始めることに。 どの女性も応援したくなります。 | ||