本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。 ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
  ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。
  そのための覚え書きのような簡単感想メモになります。
  評価の☆を付けるのはやめました。

★最近のお気に入り
楽園のカンヴァス  原田マハ
ライアの祈り    森沢明夫
海賊と呼ばれた男  百田尚樹
百年法       山田宗樹
ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ
妖怪アパートの幽雅な日常シリーズ
東雲の途      あさのあつこ
困っている人    大野更紗  
自分のアタマで考えよう  ちきりん
もちろん澪ちゃんシリーズは大好きで新作を待ちこがれています。     
★2013年に読んだ本で好きな本

はかぼんさん
しのぶ梅 晴天の迷いクジラ きみはいい子 路(ルウ)桜ほうさら
さくら動物病院 青空の卵 南下せよと彼女は言う
火群のごとく

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私たちが好きだったこと
 76倍の倍率の公団住宅に当たった主人公の与志。
独り身では住めない条件なので、
なんやかんやの成り行きで、男友達ひとりと、
女ふたりが同居することになる。

まるで一昔前のドラマのような始まり。
男友達はいいとして、
飲み屋で会ったばかりの女子二人がどうして一緒に住むことになるのか。

昆虫の写真を撮ることに魅入られたロバこと、佐竹。
不安神経症の愛子。
美容師の曜子。

うまい具合に二組のカップルになるなんて、
ほんとドラマ。
まあ小説だから、ドラマのようなものですが・・

こんな他人が4人、ひとつ屋根の下に住むなんて、
いろいろとトラブルがありそうですが、
揃って他人の為に動こうとする4人なので、
なんとかうまくいっているのでしょうか。

それでもそれぞれ悩みや抱えるものがあり、
同じ生活のままではいられなくなります。

不安神経症の愛子は、それを克服するためにも医師になるべきだと、
仕事をやめ医学部を目指す。
その為の費用も皆で出すのだけど、
ここまで他人のために出来るのだろうか。
応援したい気持ちももちろんわかるけれど。

与志と愛子。
ロバと曜子。
それぞれのカップルの愛も変化していく。

若いころの志や想いがずっと続くことを願いつつ、
思うようにならぬのが人生。
濃く過ごしたあの頃の日々、過ぎてみれば良き思い出となったのだろうか。



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| 春色 | ー宮本輝 | comments(0) | trackbacks(0) |
優駿
宮本輝氏の小説、優駿。

競馬雑誌に優駿というのがあるのも始めて知りました。
まして、この小説は、以前斉藤由貴さんで映画化されたときの記憶が
うっすらとあったものの、競走馬の話だということも
読み始めて知りました。

私ったら、勝手に高校か大学の馬術部の話だと勘違いしていました。
すみません。
というのも、私の頭の中でこれまた勝手に
馬といえば、里中満智子さんのコミック、アリエスの乙女たちがすべてだった。
路美のエレクトラ・・・

話を優駿に戻します。

サラブレッドという言葉くらいしか知らなかった競走馬の世界。
生産者、馬主、調教師、騎手、たくさんたくさんの人やお金が動くんだな〜
びっくり。
きれいごとでない世界のような気がしてしまうけれど、
小さな牧場で名馬を作ることを祈るように行っている
青年の気持ちはとても純粋です。

誰が主人公というより多くの登場人物それぞれの人生も興味深く、
運命的です。

その小さな牧場で生まれたオラシオン(祈り)と名付けられた馬。
オラシオンに懸ける人々の想い。

人間の手で作り上げられた馬であることは、
馬たちにとってどんな意味を持つのだろう。
レースのときの極限の状態。
大きな体を支える細い足が骨折したら、殺処分になってしまうこと。
それでも名馬と言われる競走馬を作るために
いい血の親を得ようとし、
生まれる前から始まっている競走馬の世界。

実際にもいろんな運命の馬たちがいるのだろう。
競馬を見たこともないけれど、
ちょっと今度テレビで見てみようと思います。

馬たちの顔を。目を。姿を。





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春の夢
宮本氏の作品、やっぱり好きな作品が多いです。

この『春の夢』という物語。

主人公は、亡くなった父親の借金を背負い隠れるように暮らす貧乏学生。
不幸を背負ってしまったかのような主人公。
こう聞くと、題名とは違和感があります。

だたひとつ『春の夢』を感じさせるのが、
恋人の陽子。
名前が太陽の陽子というように、暗い物語のなかのひと筋の光。

ホテルのボーイというアルバイトをしながら社会の歪みが、
大人の理不尽さを感じながらもひたむきに生きる。

もうひとつ光を感じさせられたことがありました。

今は借金背負った貧乏学生だけど、
意外にも人を見る目があり、
(これは意外ではなく両親から受け継いだものなのかな。頭もよさそう)
このままでは終わらないだろうと感じます。

借金取りからの取りたては容赦なく彼を傷つけたけれど、
きっと彼は大丈夫。このままでは終わらない。

あと、物語を不思議にも深い世界にさせたのは、
一匹の小さな生き物の存在でした。


最後、解説にありました。
最初は『棲息』という題だったそうです。
この意味は、小さな生き物が表しているのでしょうけれど、
やはり『春の夢』のほうがいいように思います。








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彗星物語 (文春文庫)
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ドラマのなったのはしらなかったのだけど、
ドラマになりそうな物語ですね。

13人1匹という大家族の物語です。
ハンガリーからの留学生を預かる3年間。
おじいちゃんもいい味だしているし、おかあさんが温かいし、
子供達はやっぱり心配させるようなことするのだけど、
留学生のボラージュとの関係が、すごくリアルで国の違いからくる
いき違いも、考えかたの違いもすごくわかって
その度に、誰かが解決する。

大家族ならでは。

またフックというビーグル犬がいい味だしているのよーー
だって絶倫!
こんな設定初めてみた・・・

死が出てきたらいやだな〜
と思って最後読みました。

ここには書かないけれど、泣かされました。



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錦繍 (新潮文庫)
離婚したふたりが10年後に再会。

それぞれ別の人生を歩んできたふたり。

現代だったらメールのやりとりという所でしょうけれど、
女が男に宛てた一通の手紙から物語が始まり、
その後もすべて往復書簡によって話が進んでいきます。

それは過去の話から始まり、長い長い手紙により、いろんなことが明らかになります。

ただの手紙のやりとりのようなのに、
丁寧な文面から古きよき時代を知ることもできます。
過去の事件のくだりは、目を背けたくなりますが。

過去をきちんと振り返ったふたりは、手紙のやりとりをするうちに自分をとりもどし、
前に進むことになります。

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