本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。 ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
  ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。
  そのための覚え書きのような簡単感想メモになります。
  評価の☆を付けるのはやめました。

★最近のお気に入り
楽園のカンヴァス  原田マハ
ライアの祈り    森沢明夫
海賊と呼ばれた男  百田尚樹
百年法       山田宗樹
ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ
妖怪アパートの幽雅な日常シリーズ
東雲の途      あさのあつこ
困っている人    大野更紗  
自分のアタマで考えよう  ちきりん
もちろん澪ちゃんシリーズは大好きで新作を待ちこがれています。     
★2013年に読んだ本で好きな本

はかぼんさん
しのぶ梅 晴天の迷いクジラ きみはいい子 路(ルウ)桜ほうさら
さくら動物病院 青空の卵 南下せよと彼女は言う
火群のごとく

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | - | - |
怒り
なるほど。
これもいずれ『悪人』同様映像化されそうですね。
単行本というのはその大きさに反して大きな字で読みやすいのであっという間に読めます。
ましてこういう先が気になるものは一気読みですね。

始まりは惨殺されたある夫婦の事件。
逃亡を続ける犯人はどこにいるのか。
人の出会いというものは突然で、
さまざまな出会いがあるわけで、
それまでのその人物の経緯なんてすぐにわかるわけがない。
それでも普通のひとは他人に優しい。
仕事もきちんとこなしているとなれば信じる気持ちもわいてくる。

房総の漁港で暮らす洋平・愛子親子の前に現れた田代。
大手企業に勤めるゲイの優馬は新宿のサウナで直人と出会い、
母と沖縄の離島へ引っ越した女子高生・泉は田中と知り合う。

突然現れた3人の男。
同じ人物かと思ってしまいましたが同時期のようなのでそれはなく、
テレビで報道される犯人像からもしかしてあの人似ているかもと思う。
そうすると目の前にいる男が突然信じられなくなる。
結局は他人のこと、心から信じるという気持ちになれないのもわかる。

それぞれの生活が描かれていく中で特に、離島に住む泉。
同じ学校に通う近くの民宿の子、辰哉と仲良くなっていく様子は微笑ましかったのに一番の悲劇になってしまいました。
星島という無人島にいた田中という男。
辰哉と遊びにいった沖縄でレイプされそうになった泉。
それを見ていた田中。
星島で泉と辰哉が見たものは。
辰哉の気持ち、行動。
男らしさ、正義。

それぞれの決着がついたようだけど、泉と辰哉の未来が気になります。
あっ刑事の北見と出会った美佳のことだけ何者がわからなかったですね。
過去を詮索することは出来ない。
話してくれないことには。
でもその話を信じないことには前へ進めない。

考えてみると本心から人を信じるというのは難しいものです。

 
| 春色 | ー吉田修一 | comments(0) | trackbacks(0) |
愛に乱暴
これは・・なんというか、怖い。
ひと組の夫婦と、だんなの不倫相手の女性の3人が主に登場するのですが、
現在の妻である桃子の視点で多くが描かれているのだと私が気づいた時の不思議な感覚。
これは小説の醍醐味ですよね。映像からだったらこの感覚はないと思います。
義祖父の愛人が住んでいたという離れに住み、その時江さんという人がとても気になってしまう。

すがるように床下を掘る行動は
さすが単なる不倫小説じゃないです。
最初から不倫するだんなのこと嫌悪感いっぱいで読み進めていましたが、
やっぱり最後までサイテー。
桃子は義父母ともそこそこうまくやっているなと思っていましたが、
わかりえないものですね。
呆れるほどに繰り返される。

 
| 春色 | ー吉田修一 | comments(0) | trackbacks(0) |
路(ルウ)
 台湾に日本の新幹線を走らせるために奮闘する人達を描きながら、
その周辺の人たちの暮らしぶりや温かさがどの場面からも溢れています。
スケジュール通りに進まないことやいくつかの問題も出てくるけれど、
悪人はいないようです。

プロジェクトの中心になる大井物産に勤務して4年目の多田春香は、
恋人の繁之を置いて台湾へ異動になる。
同じく異動になった安西誠。
その他現地採用の台湾の人たち。
日本で妻を亡くしてひとり暮らしの葉山勝一郎は60年前台湾で暮らしでいた。
春香は6年前ひとりで訪れた台湾で偶然出会って街を案内してもらった青年を忘れられずにいた。
もらった連絡先をなくしてしまい連絡することができずずっと心に残っていたのだ。
でも手掛りは少なく、時間も経ってしまっているため、
あの時の気持ちが愛情からなのか、単なる旅先での出来事なのか、
自分でもうまくわかないまま、仕事に情熱を燃やしていた。
そんな春香の思いを知った友人から友人へ伝わり、
その時の青年人豪が、今は日本で働いていることがわかる。
そしてついに8年ぶりに会うことになるのだが。
恋人である繁之は鬱のような状態になり入退院を繰り返す状態に。
春香はいったいどうしたいのだろう。
ドラマチックな物語だったら、8年前にたった一度会っただけの彼と再会したとたん愛が燃え上がりとなるのかもしれないけれど、
ふたりはとても冷静です。
冷静すぎるくらい。
自分がどうしたいのか悩んでいるのもわかる。
台湾勤務になってとまどっていた安西誠は、現地でユキという子と知り合い、
日本に妻子がいながらちゃっかりうまく行っているし。
まあ安西さんもいい人そうなのでよかったね。って思えるのだけど。

とにかく新幹線開通のプロジェクトも多難ありながらも進んでいき、
開通の時を迎えます。

勝一郎は60年ぶりに台湾を訪れ、ずっと後悔があった友人へ謝罪の言葉を言うことが出来た。
台湾のひとたちって日本の震災にもいち早く対応してくださったイメージがあって、
とても良いお国柄だと思っていました。
この物語でもそんな台湾のひとたちの人情を多く感じることができます。
台湾に行ってみたいな。



| 春色 | ー吉田修一 | comments(0) | trackbacks(0) |
横道世之介
大学進学のために東京に出てきた男、
横道世之介の1年が描かれています。
この男、いったいどこが魅力なのかとりとめのない感じなのですが、
読んでいくうちに、世之介の空気に慣れて自分も知り合いであるように思えてきました。
4月からの生活は、大学生だったら誰でも経験するようなことも多く、
特に大事件が起きるわけでもありません。

世之介がかかわっていた男友だち。女友だち。
先輩や憧れたひと、好かれたひと。彼女。
物語的に、ちょっといじわるな人が登場してもおかしくないのに、
そういう人はいなくて、そこもまたいいです。

大学時代の話が進みながら、間にそれぞれのその後が描かれているのもおもしろいです。
世之介はどんな暮らしをしているのだろう。と読んでいたら衝撃でしたが、
誰かの心にふとした時に思い出されて、
よかったな。と思ってもらえる。
そんな人生っていいですね。







 ランキング参加しています。
よかったら↓ぽちっとお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
JUGEMテーマ:本の紹介
| 春色 | ー吉田修一 | comments(2) | trackbacks(0) |
長崎乱楽坂
長崎の地で、ヤクザとして生きる一家に生まれた兄弟の成長物語。
酒と、男と女。
性と、暴力が日常のような中で、
子供はどう育つのかと思いました。
一般の生活とはかけ離れている世界なので、
あまり共感することも出来ず、
盛り上がれなかったです。

 



ランキング参加しています。

↓『読んだよ』の印にぽちっと、していただけたらうれしいです。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
JUGEMテーマ:読書
| 春色 | ー吉田修一 | comments(2) | trackbacks(0) |
あの空の下で
 ANAの機内誌に連載されていたものをまとめたものだそうです。

旅のエッセイを間に挟みつつ、
短いお話ばかりですが、
どれも、その場所、人物、情景が浮かんでくるように感じます。
それは、余韻を残した終わり方が多いからかもしれません。

海外へ行くときの不安と期待。
言葉がわからないのはやっぱりネックで、
すらすら話せたらと、いつも思う。

恋のパターンもいろいろ。
別れもあれば出会いもある。

旅行という非日常がいろいろと教えてくれる。
新しいことを始める勇気も。




ランキングに参加しています。
ぽちっと、応援していただけたらうれしいです。
にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ
| 春色 | ー吉田修一 | comments(0) | trackbacks(0) |
さよなら渓谷
 内容の予備知識をなにももたないまま読み始めたので、
最初に起きた隣人の幼児殺害事件で、
実際のあの事件を思い出し、そこが焦点かと思ったら、
物語の中心は隣に住む夫婦でしたね。

その他にも、大学生の集団暴行事件や被害者と加害者の関係、
重い問題が次々と・・

事件の当事者がいくら静かに過ごしたいと思っていても、
周りの状況はこんなにも厳しいのでしょうか。

以前読んだ、『心にナイフをしのばせて』を思い出しました。
未成年だったため守られ更正して弁護士にまでまった加害者と、
日陰のように暮らしてきた被害者家族。

今回の小説では、悩み悔やみ続ける加害者青年。
どこへ言っても逃れる事は出来ない。

ただ謝りたいという気持ちは受け止めてあげたい。
でも実際に当事者、関係者になったら、
とてもそんな気持ちにはなれないでしょう。

どこまで行ってもすくわれない。
気持ちが重くなってしまいました。




  『読んだよ』の印にぽちっと、していただけたらうれしいです。
にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ

JUGEMテーマ:読書
| 春色 | ー吉田修一 | comments(0) | trackbacks(0) |
春、バーニーズで (文春文庫 )
JUGEMテーマ:読書


小説になると、ありふれた出来事が急にかっこよく見えたりする。

ありふれた夫婦の話だけど、
現実に過ごす今、いろんなことがあるように、
過去もそれぞれいろんなことがあって生きてきたんだ。
正直に言わないほうがいいことだって。

もしもあのとき、別の選択をしていたら。とも
誰も一度は考えることでしょう。
やり直しの出来ない人生だから。


ランキング参加しています。
よかったら↓ぽちっとお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ


| 春色 | ー吉田修一 | comments(0) | trackbacks(0) |
パーク・ライフ
JUGEMテーマ:読書


日比谷公園に日々集うひとびと。

普通の日常のなかに、存在している人の数だけ、

物語があるってことに
気付く。

| 春色 | ー吉田修一 | comments(0) | trackbacks(0) |
悪人

評価:
吉田 修一
朝日新聞社
これは久しぶりに長文だ〜と思ったのですが、
あっという間に読み終わりました。

出会いがとても重要なキーワードです。

一生懸命、まじめに生きているのに報われない人がいます。

見かけだけで判断され辛い思いをする人がいます。

人を傷つける言葉を簡単に言えてしまう人がいます。
出会う順番が違ったら、
悲劇は起こらなかった。

悪人は誰なのか・・

ランキング参加しています。
よかったら↓ぽちっとお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
JUGEMテーマ:本の紹介


| 春色 | ー吉田修一 | comments(0) | trackbacks(0) |