本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。 ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
  ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。
  そのための覚え書きのような簡単感想メモになります。
  評価の☆を付けるのはやめました。

★最近のお気に入り
楽園のカンヴァス  原田マハ
ライアの祈り    森沢明夫
海賊と呼ばれた男  百田尚樹
百年法       山田宗樹
ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ
妖怪アパートの幽雅な日常シリーズ
東雲の途      あさのあつこ
困っている人    大野更紗  
自分のアタマで考えよう  ちきりん
もちろん澪ちゃんシリーズは大好きで新作を待ちこがれています。     
★2013年に読んだ本で好きな本

はかぼんさん
しのぶ梅 晴天の迷いクジラ きみはいい子 路(ルウ)桜ほうさら
さくら動物病院 青空の卵 南下せよと彼女は言う
火群のごとく

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泣き童子
百物語のシリーズ。
許婚者が幼なじみの男に殺されるという哀しい出来事がおきたおちかが、
立ち直りの足がかりの足がかりになるかもしれないと、
叔父さんの家に行儀見習いにきて3度めの冬を迎えようとしていた。
お嬢さん暮らしより働いていたほうが楽しいので女中に混じって体を動かす毎日。
そんな中叔父さんの案でちかが客人の不思話を聞く、変わり百物語の趣向が行われるようになった。
語って語り捨て。
聞いて聞き捨て。
おちかも聞いた話を叔父夫婦に伝えたらあとは二度と口にしない。
事の真偽も問わない。

そんな不思議話が今日もまた語られていく。

とてもおどろおどろしい話もあるのですが、恐がりの私も不思議と怖くありません。
ありえない出来事もそれなりに納得して読んでいます。
なんでもありですね。

ひとり心にしまったままよりこうして誰かに話すことで心の仕えが取れることもあると思います。

やっぱり表題の泣き童子が一番印象に残ったかな。
悪事を見抜く赤ん坊。
赤ちゃんのころに見えるものも大人になるにつれ見えなくなると今も言うことありますから、
そんな感じかもしれません。

節気顔もおもしろい。
ある一日だけ死んだひとの顔になる話。

弱いものいじめをしたり悪事を働いたひとに天罰があたるような、
必ず自分に返ってくるというような場合が多いですね。
少し救われます。


 
| 春色 | ー宮部みゆき | comments(0) | trackbacks(0) |
桜ほうさら
 あやかしものでない時代もの。
長編ですが宮部さんのはさくさく読めますね。

武士の家に生まれながら、剣術が苦手でおとなしい古橋笙之介。
父がそんな優しい性格ながら母と兄は勝ち気な生活であった。
兄が家を継げばいいからと気楽な気持ちでいた笙之介であったが、
父が賄賂の疑いをかけられ自害したことからお家は廃絶。
しかし父がしたこととは思えぬ笙之介は父の無念を晴らしたいとの思いを胸に、
江戸へ出てくることに。

他人の筆跡を真似て同じように書くことはできる者を見つければ、
父の濡れ衣も晴れるかもしれない。
絵や字がうまい笙之介は写本をしながら、そういう人物探しに気にかけていた。
長屋暮らしをするようになって、
周りの人物がそれぞれ個性豊かで楽しく、
たまに事件に巻き込まれるも、それなりに暮らしていた。

桜の精のごとくふと見かけた女性、和歌のことが気になる。
顔や体に多分今でいうアトピーのような症状なのか痣のようになっていてあまり外へ出られないとう境遇ながら、おとなしい女性というわけでなく、
随分和歌のことが気になっているのにちっとも進展しなくてもどかしい限り。

しかし後半、笙之介を襲った刃。
枕元での和歌の叫びに涙が溢れる。
和歌が連れ戻してくれたのですね。
父上のもとから。

そして生まれ変わった幽霊さんの側には和歌が。
きっと仲睦まじくも明るい日々が。
和歌やおつたのお小言も聞こえてくるようです。

| 春色 | ー宮部みゆき | comments(0) | trackbacks(0) |
ソロモンの偽証第三部
 第二部の感想を載せていませんが、
三冊全部として書かせていただきます。
長い長い物語でしたが案外早く読めました。

第三部でいよいよ学校内裁判が始まりました。
一部で起きた柏木卓也死亡事件。
警察で自殺と処理されたものの納得いかない生徒たちが、
学校の課外活動として裁判を行う。
中学3年生にしてはかなりしっかりしていて驚かされました。
もちろん実際に裁くことは出来ないし、
真実を突き止めようとしているわけではない。
でもだんだん真実に近づいてしまうかもしれないとなると逆に不安になってしまう。
こんなことしてよかったのか。って。

家庭環境がどうしても問題になるけれど、
正解はないし親もそれぞれ不安になりながら子育てしているのだと思う。
子供を思う故の行動だったとしても、
間違ってしまう場合もある。
やり直しが出来ないのは辛い。
でもこの裁判によって成長した子もいる。
何が正解かわからないけれど、子供たちは繊細なんです。
親も教師も、周りのおとなたちは、きちんと目を耳を向けてほしいです。




| 春色 | ー宮部みゆき | comments(0) | trackbacks(0) |
ソロモンの偽証 第1部 事件
 とりあえずまず1部です。
これだけでも700ページ以上あるのですから長いです。
でもさすが宮部さん。
その長さを長過ぎると感じることなく読めました。

以下ネタバレ含みます。




大雪の日の朝、中学校の裏庭で死体となって発見された柏木卓也。
自殺か事故、それとも他殺なのか?

中学生の少年少女たち。
優等生もいれば不良たちや、コンプレックスの固まりのような子、
友達思いの子もいれば、友達を友達とも思わない子。
もちろんいろいろな子がいるのですが、
ある日突然、死が身近になってしまい戸惑う。
まだまだ子供だけど、きちんと考えることが出来る子もいる。
子供だから大人だからではないですね。

とりまく大人たち、両親や教師、そして警察関係者や記者。
憤りを覚える大人もたくさん。
どうしたら子供たちに正しい途を示すことが出来るのか、
同級生の死という事件、
真実はどこにあるのか。

それにしても優等生の藤野涼子以外の親は、問題大ありで子供がかわいそう。

亡くなった卓也の親は、兄の宏之のこともっと考えてあげてほしいし、
不良の大出の父親は問題外。ありえない。
野田健一は、精神病のような母親がいるし、
告発状を書いた樹里の親ももっと娘の気持ちを理解してあげてほしかった。
松子親子は仲もよく良い関係。
太っていじめられてもその対処がとてもいい。
なのに死んでしまった松子が一番かわいそう。
真相は明らかになるのだろうか。

図書館予約でやっときたのですが、
2部はまだ10人待ちくらい。
早く読みたいーー
| 春色 | ー宮部みゆき | comments(0) | trackbacks(0) |
あんじゅう
  『おそろし』の続編。
自らおこした罪を悔いながら、
枷をはめるように女中頭として忙しく働くおちかちゃん。
時に主人の姪として百物語を聴く。

今回は4つのお話です。
さあ、おはなしをつづけましょう。

幽霊とか、あやかしとか、でなく人の心が一番怖いのだと今回も思う。
でもかわいい話が多いです。
表題のあんじゅう、暗獣なんて、会ってみたい。

子供が関係している話が多かったですね。












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小暮写真館
これも読んでから数日過ぎてしまったので、
こんな長編なのに印象が薄れてきてしまった。

小暮写真館の建物付きで土地を買った両親は、
なんだか変わった人たちらしい。
縁もゆかりもないおじいさんがやっていたその写真館はもう古い建物で、
写真屋でもないのに、そのままそこに住んでしまう、花菱一家。
そこに、心霊写真が持ち込まれその謎を解くはめになる一家の長男英一。
弟の光や、友だちの店子(テンコ)など、
中々いい味をした人たちが登場し、
ほのぼのした中に、謎解きの要素が加わり、
おもしろいはずなのに、
宮部さんの新作に期待しすぎたのか、少し物足りなかったです。
すみません。





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我らが隣人の犯罪
 最近宮部さんの新刊情報をあまり聞かないので、
とっても久しぶりですが、昔の本を。
表題作を含む、短編集です。
どれもミステリーだけど、怖くない。
ほのぼのしています。

隣の家のわんちゃんがあまりにもうるさいので、
なんとかしようと策を練る、
我らが隣人の犯罪。
思わぬ犯罪が絡んできました。
でも、結果オーライ。
よかった。

この子誰の子が、割と好きです。
どうしても、子を持つ母の立場の人が苦しんでいるのを放っておけない。
お兄ちゃんが出来てよかった。



  





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レベル7
 最近本を貸し借りする友達が増えました。
そんな友達から、おもしろいよ。って借りた本です。

さすが、宮部さん。
最初からノンストップで読ませます。

記憶をなくして見知らぬマンションで目覚めた若い男女。
部屋には、大金、拳銃、とただならぬ状況です。
記憶をなくしたままこんな部屋にいる自分を想像したら、
ぞっとします。

そして、行方のわからなくなった女子高生を探すカウンセラーの女性。

ふたつの事件がやがて繋がり、二転三転しながら真相に迫ります。

記憶喪失の男女に近づいた三枝という男。
信じていいのか最初から最後まで、疑いの目で読んでいました。

4人を惨殺した幸山壮事件といわれる殺人事件が大きな鍵でしたが、
それ以前に、多くの犠牲者を出したホテル火災、
苦しみの中生きてきた人たちがいた。

お金や地位や名誉を手に入れた人が陥りやすい過ちのような気もするけれど、
あの男だけは赦せない。

カウンセラーの悦子の父がいい味出していました。
あっ娘のゆかりちゃんも。
先のわからないミステリーの怖さのなか、
この二人がいる場面だけは、温かでしたね。








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おそろし
 なかなかの長編ですが、一気に物語の世界に入り込み、
あっという間に読んでしまいました。
さすが宮部さん。

ある辛い事件から心を閉ざし、己を責めるおちかは家に居づらくなり
叔父の家に預けられることに。
おちかを案ずる叔父は、「変わり百物語」を聞くように言う。
そしておちかは不思議な哀しい話を聞くことになります。

題名から、とてもおどろおどろしい話かと思い、
怖いかなと思ったのですが、
宮部さんの表現力の成せる技か、死人がたくさん出ているのにそんなに怖くはありません。
それに、怖さより哀しみのほうが大きいからかもしれません。
これ映像になったとしたら最後の場面など怖くなりそうですけどね。

人間のおそろしい部分が表に出てくると、
日々地道に賢明に生きている人たちに不幸が訪れるかのような。
愛してしまったために崩れていく人生。
心を遺して逝ってしまったひとたちの想い。

亡くなった人が現れることは不思議に違いないのだけど、
会ってみたいとも思ってしまった。
いや、怖いひとはいやだけど。



印象深いのは、お彩と市太郎の話かな。
以下、ちょっとあらすじ書きます。








罪深い姉と弟の物語。
病弱だったお彩は環境のよい場所で生活するように預けられる。
調子がよくなり江戸に戻ってこようとする度、
病気がぶり返し引き返すことに。
結局戻ってこれた時にお彩は17才になっていた。
そして弟の市太郎は16才。
自分の家とはいえ14年ぶり、家族として馴染めるかの皆の心配は杞憂に終わり、
すぐに皆と仲良く暮らすお彩。
気立てがよい上に、輝くばかりの美貌。
仲良しの姉弟はやがて、互いにそれ以上の愛情をもつことに・・
連理の枝という言葉が印象に残ります。
使用人たちが気づき出し、知らぬは両親と妹。
それを両親に忠告した宗助だったが、
激しく怒り叩きのめされ、命をも落としてしまうことに。
ふたりを離れさせようと市太郎を奉公へ出すことにする前日、
お彩は自害してしまう。
不幸は続く。
それでも奉公先でがんばる市太郎。
そして奉公先の娘を嫁に連れて戻ってきた。
お彩のことは忘れてがんばっているものと思っていたのに、
全然忘れてはいなかった。
想いを閉じ込めていたお彩の鏡が・・・解き放たれたとき・・
命を落としたのは市太郎の嫁お吉。
お彩が乗り移ったお吉を殺してしまったのは母。
姑が嫁を殺す。
何も悪くないはずのお吉が命を落としてしまったのは哀れでしかない。
母も父も、罪人になってしまい、
市太郎はお彩と同じように自害する。
ひとり残った末の妹の語るその話に、おちかは自分の身の上を重ねるのだった。


おちかの話も含めてあと3つ。
どれも哀しい物語。
避けることの出来ない運命だったのかもしれません。
でも遺された者たちは、運命を受け止め生きて行く。
もう振り返らない。

あまりに哀しい話ばかりだけど、読み返したくなりそうです。
そして続きがあれば読みたいです。




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初ものがたり
宮部みゆきさんの時代もの。

 初もの・・・鰹、蕪、白魚、柿などにからむ事件を解決する短編もの。
茂七親分いい味出してます。
そこに更にいい味なのが、稲荷寿司の屋台の親父。
また出てくる食べ物がおしいそうでおいしそうで。

事件は時代に即した、哀しい子供たちや恋、生まれなどとても胸を打つものばかり。

おいしいものの影で、こんな事件がと思うと切ないですが、
そこからヒントが生まれたり、うまくできてます。

屋台の親父はいったい何者なんだ。
続きはないのだろうか。



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