本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。 ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
  ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。
  そのための覚え書きのような簡単感想メモになります。
  評価の☆を付けるのはやめました。

★最近のお気に入り
楽園のカンヴァス  原田マハ
ライアの祈り    森沢明夫
海賊と呼ばれた男  百田尚樹
百年法       山田宗樹
ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ
妖怪アパートの幽雅な日常シリーズ
東雲の途      あさのあつこ
困っている人    大野更紗  
自分のアタマで考えよう  ちきりん
もちろん澪ちゃんシリーズは大好きで新作を待ちこがれています。     
★2013年に読んだ本で好きな本

はかぼんさん
しのぶ梅 晴天の迷いクジラ きみはいい子 路(ルウ)桜ほうさら
さくら動物病院 青空の卵 南下せよと彼女は言う
火群のごとく

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おばさん四十八歳小説家になりました
一番初めは図書館で借りた『めのと』だったと思います。
植松さんも書いているように女性受けがいいようですし、
あまり脚光を浴びていない人物特に女性に焦点をあてているなど、
私の大好きなパターンの小説でした。
それから植松さんの小説は何冊か読むようになり、
やはり上記の理由で好きな小説になったものが多いです。
そして地元静岡出身だと知り、
(生まれは埼玉だそうですが)
更に娘の母校である高校の先輩だと知り、勝手に親近感を持っていました。

今回のエッセイ、タイトルからも興味深いですね。
小説家になるのに年齢は関係ないでしょうけれど、
そっか今の私の年齢のころ小説家デビューだったのね。
環境や経緯、仕事や家族のことなど特に書きにくいであろう次女さんの不登校の頃のこと。
本人に書いていいか聞いたようですが、
それこそいろいろな人生があるのだと受け止めるのに時間がかかったようだけど
子育てはずっと勉強ですね。

そして書かれた小説のこと、題材がどのように決まったのかとその後の進め方、
楽しむ読ませていただきました。

まだ読んでいない小説、そして今後の小説も楽しみです。


 
| 春色 | ー植松三十里 | comments(0) | trackbacks(0) |
黒鉄の志士たち
幕末、製鉄に命を掛けてのぞんた男たちの物語。
命を掛けてという言葉が嘘じゃなく本当に命がけで臨む男たち。
自分の息子の命さえ・・
正直あんなにも素直で健康だった作之進の運命があまりにもむごいと思ってしまう。
歴史上多くの困難な道のりを切り開いてきた先人たちがいる。
苦労して成し遂げても時代に追い越され無用のものとなってしまっても、
先人たちの思いが少しでも生き続けていきますように。
こうして小説から感じられることは素晴らしいです。
| 春色 | ー植松三十里 | comments(0) | trackbacks(0) |
達成の人
 二宮金次郎早春録とあります。
少しの記録やエピソードから物語を組み立てるのでしょうけれど、
植松さんはいつもうまいなと感心させられます。
主人公の人生が生き生きと蘇るようです。

5才のとき台風による洪水で命の危機にさらされ恐ろしさを身を持ってしる。
病気の父親の代わりに大人に混じって賦役に行かざるを得なくなったのが11才のとき。
がんばってがんばって本当にどれほどがんばったかがよくわかる。
働いても働いても貧乏で楽にならない。
でも父親が言うように草鞋を作り皆に分けるようになり、
その丈夫さから買い取ってもらえるようになり自分で儲けるお金の大切さも学んでいく。
どんなに貧乏でも本を読むように言ってくれた父親。
百姓が本を読んでもという人たちの言葉に負けず、
夜本を読むための油がもったいないと言われれば、油を手にいれる方法を考える。
常にどうしたらお金が動くか考え、百姓の暮らしがよくなるか考え、あちこちに奉公へ行って、
その働きぶりから段々信用してもらえるようになりとひとつ達成したら次へと、
本当にびっくりするほどの努力と知恵。
母も亡くなり、兄弟で暮らすことが出来なくなったり幼い弟は麻疹で亡くなり自身の長男もたった2週間で逝ってしまうなど哀しいことも続く。
それでもなんとか人々のためにと世の中のためにと身を削る日々が続く。
節約のことなど今の時代の無駄の多さを知ったら悲しみますよね。金次郎。
その思い心に刻みたいと思います。




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唐人さんがやって来る
 全然知らない世界でした。
徳川将軍の代替わりのたびに来日した「朝鮮通信史」その行列絵図を完成させるべく奮闘する3兄弟の物語です。

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お江 流浪の姫
 歴史小説といえば、植松さんが好きなので、読んでみました。
植松さんにはまったのは、『めのと』で、茶々のめのとの話でしたね。

お江については大河もあり、大奥でのことなど有名ですが、
これは10歳の少女のころから、大奥へ嫁ぐまでのことが描かれています。
3姉妹の子供時代のことはあまりわかっていないそうです。
歴史にはこうした空白部分があるのは当然で、
小説として描かれるとき、その空白部分のフィクションがおもしろいか否かが重要になってくるそうです。(解説より)

そしてその少女時代の生き生きとしたお江に会えます。
幼なじみだった佐治一成に嫁いだころの、まだまだ子供なお江。
幸せで楽しい時間。
でも、将棋の駒のようだった女の一生。
まさしく流浪の姫なのですね。









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黍の花ゆれる
 植松さんてば、あまりスポットライトが当たっていない歴史上の人物を描くのが好きなのかしら。

西郷隆盛が流された土地、奄美で結婚した女性、愛加那の人生です。
人権を無視したような取りたてに苦しむ人々の暮らしや、
島妻という立場の女たちの存在など、
今では考えられないことが多いです。

歴史ものを読むと必ず、本妻と妾の存在があります。
側にこういう女性がふたりいるのも大変だけど、
離れて待っているだけの立場もそれは辛いものがあるでしょう。

鹿児島に連れていこうとする西郷に、
島を出るつもりはないと言う愛加那。
必ず帰ってくるから待っていてほしいとの言葉を胸に島で生きる。
でも、帰ってくることを信じていたわけではないでしょう。
二度と会えないと覚悟して送り出したのだと思います。
西郷のことが怖かった出会いのころから、
かけがえのない存在になるまでの心情が、見事に描かれていました。

島で西郷を迎えること数回。
送り出すこと数回。
そして、子供たちも送り出し、帰ってきた息子、二度と戻らない娘。

妻として女として、愛加那には尊敬できることもたくさんありました。

誰かのために生きること。

とても立派に生きた女性なのだと思います。











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女たちの江戸開城
徳川のラスト、江戸開城の功労者として有名な人物でなく、
女性、それも京女の『土御門藤子』が成し得たことに焦点を充てた歴史小説。

当時いろいろな重要ごとを、陰陽道よって決めていた。
暦や天体、星の動きや季節、先祖からの膨大な資料から割り出す難しいものだった。
が、藤子には合っていて女陰陽師になる。
そして和宮降嫁のとき、一緒に付いて江戸へ行くことに。
和宮の苦悩はさまざまに語られてきているけれど、
共に支えた多くの女たちの苦悩もすさまじいものがあったでしょう。
それでも、仕えている主のためなら命も惜しくない者たち。
和宮の側近として仕えた藤子は、
二度に渡り嘆願書を京へ届ける役目を仰せつかる。
今では考えられない籠と徒歩での旅、
そして命をも狙われる旅なのだ。
最初の道中で多くのお供の女たちが、のんびり化粧したり食事したりおしゃべりしたりに、
いらつく藤子の気持ちがすっごくわかる。
わらじがないと騒いでいる女に、
自分の草履を蹴飛ばす場面が秀逸。
すかっとする。
女が多く集まるとこうだろうな〜と、
でもそんな呑気な旅ではない。
人数を減らして行くことになるも、さまざま危険な場面に出くわす。
そんな中、口のきき方も態度もなっていない伊賀者の千田という男が警護で付いていくのだが、藤子との関係の変化がまたいい感じです。
最後までお供に付いていた男勝りのお伊野と、阿久澤の恋バナは、
なんとも空しい。
最初から最後まで、藤子の行動力には驚きの連続。
殺されてもおかしくない場面が多々あり、
はらはらどきどき。
命を落とした者たちとの別れも辛いが、
とにかく使命を果たすことに燃えた藤子の執念に尽きる。









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千の命
 植松さんの本をもっと読みたいと思い図書館で探してきました。

産科術の基礎を作った、賀川玄悦氏の生涯。

難産の末、子供も母親も命を落とすことが珍しくなかった時代、
せめて親の命だけでも助けたいの思いから、
独自に回生術をあみ出し、多くの女性の命を救うことになる。
しかし、そこへ辿りつくまでの道のりは容易いものでなく、
周囲の偏見、
妻や自身の子供たちにも理解されず、
医者として認められていく玄悦に対して、
「私は立派な医者に嫁いだのではありません」
という妻のお信の気持ちもわかる。
昼間は鉄くずを売って、夜は按摩で生計を立て、
裕福でなくとも、子供たちの笑い声が満ちた家庭。
そんな生活がどんどん崩れていったのだから。

本妻、妾の立場の違いや夜鷹の存在、女としてなんともやるせない想いです。
玄悦自身、妾の子で悔しい思いをしたのに、
同じことをしている。
そういう時代だったかもしれないけれど、
冷静でいられる女なんていない。
女同士の争いが起きて当たり前だと思う。

それにしてもお産の技術に関しては、
何でも最初はわからないことだらけでしょうけれど、
それを研究していった熱意に敬意を表したいです。
どんな風に産まれるかのしくみも何も、
こうして努力の結果、わかったものなのですね。

母のお腹から産まれるということ。
改めて、すごいことです。







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辛夷開花
 以前読んだ、『めのと』がとてもよかったので、
新作も期待大。
次回大河ドラマの影響で、浅井三姉妹が人気上昇だそうです。
『めのと』の主役は、茶々の乳母だけど、
是非こちらも読んでほしいな〜
私がすごくいいと思う本が、それほど評判になっていないものも多く、
この『めのと』も検索すると、自分の感想が出てきてしまうのよね〜

一番好きだと言っても過言でないくらい好きな原田マハさんの小説だって、
もっともっと評判になってもいいのにーーー


さっ『辛夷開花』です。
全443ページだけど、あっという間に読めました。
小説ですから、着色もあるでしょうけれど、
実在した、初代文部大臣、森有礼氏の妻、お常の半生。

以下、あらすじも多く含まれています。

明治元年、江戸幕府が崩壊、文明開化の嵐が吹き荒れる激動の時代。
世界に負けじと、奮闘する日本の様子がよく描かれています。

聡明で美人なばかりにそんな日本の事情に翻弄されてしまったお常。
始めての女性の学校へ入学し、英語を始め勉学に励み、
期待に応えるように順調に成長していった。
そんな中、ライマン先生との初恋があり、
後から思うと、この頃が一番穏やかで幸せな時間だったよね。

しかし、日本の外交に力を入れるため、
外交官、森有礼と結婚させられる。
それでも、自分の勉強したことを活かすことができ、
とてもやりがいのある立場だとお常も、納得する。

姑と小姑の問題はいつの時代も同じ。

二人めの子供を妊娠中、北京への赴任。
西太后への謁見。
本当に日本を背負ってきているのだなと、読んでいてすごいすごいと感じてしまう。

その後、イギリスへ赴任
ビクトリア女王との謁見では、ただひとりお言葉をかけていただき、
お常の気持ちも夫の想いもこの時が最高潮だったかもしれないですね。

言葉や習慣の違い、様々な問題のなかで、
外交官夫人としての役割に没頭。
ドレスや宝石や、パーティの場で恥ずかしくないものを揃えることも大変なこと。
まだ幼い子供に後追いされ泣かれて、出掛けてくことに少しの後悔があるけれど、
自分でなくて誰が出来るのだという想いが、
お常を奮い立たせる。

しかし、一番の任務であったはずの不平等条約の改正は出来ぬまま、
森は、日本初の内閣での文部大臣就任へと日本に帰国命令がでる。
なんのための結婚だったのか、気力をなくしたお常は離婚を迫る。
夫婦の気持ちもすれ違い冷めていくばかり。
そんな中、ひとりの青年と出会ってしまう。

強引に日本に連れ帰されてから妊娠が発覚。
やっと離婚出来るが、それからのお常の生活を見ていると、
これがビクトリア女王と謁見した女性なのかと、
世界各国の外交官夫人と肩を並べようと奮闘していた女性の姿なのかと、
落差に愕然としてしまいます。

それでも、これもお常が決めて歩んでいること。
子供たちと別れなければならなくなり、
ひとりになってしまってから何を思って生きていったのだろう。

疾風怒濤の半生。

森有礼はその後再婚し、お常のことはあまり話題にならないようですが、
こうして小説になって、読むことができてよかったです。


そうそう、ネットを検索していてわかったのですが、
お常と両親が、開拓のため移り住んだところは、今の藤枝市だとありましたが、
どうなんでしょう。
なんだかとっても親近感。
静岡で暮らしたのは確かなんですよね。











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めのと
 浅井長政の娘で、秀吉の側室であった茶々姫の乳母の小袖の視線で描かれた小説。
茶々は淀殿とか、淀君とも言われますね。

これはかなり史実に忠実なのではないでしょうか。
それにとても読みやすく、登場人物の気持ちに感情移入してしまい、
中盤からはもうぼろぼろ泣いてしまいました。
こんなに泣いたのも久しぶり。

浅井長政の母、阿古に見初められ茶々姫の乳母として城にあがることになった小袖。
茶々の母であるお市は、子をたくさん産むようにと乳をあげることを許されなかった。
我が子を抱くことすら叶わぬお市の悲しみを知り、
茶々を守りぬこうと誓う小袖。
その後生まれた姫、お初、お江与(後の徳川秀忠の正室)の浅井三姉妹と運命を共にすることになる。


子従関係のはっきりした時代。
主のためなら命を断つのも当たり前。

浅井長政氏の落城。
その後茶々が再婚した柴田勝家氏の楽城。

浅井氏の遺言が、強い男、決して負けない男に嫁げというのもわかる。
戦に負ければ皆死ぬのだ。

戦に負け、城を明け渡し敵に落ちる。
二度に渡り楽城を経験し、最初のときには父。
二度目には、母を亡くした。
それぞれ最後は意志をもってのことといえ、
身内を亡くす悲しみは、いつの時代も同じこと。

それでも乳母の小袖は、途中まで夫と共に過ごしたし、
子供たちとはほぼ最後まで一緒。
この中で一番幸せだったのではないかと思います。
娘は戦略として嫁がせることが当たり前。
手元に置いておけるのも短い時間。
親子が揃って過ごす時間は少ないのです。

小袖の長男、治長と茶々の秘めた恋も、私の涙の原因(TT)
公に口にすることは叶わなかったけれど、
最後まで想い合った幼き日の恋。
このことは文献に残っているもののはっきりしたことはわからないみたいですね。

なんて我がままで勝ち気なんだと思ったお江与も、
控えめなお初も、
長女として皆のこと考えながら大胆さを持つ茶々も、
みんな愛おしい三姉妹。

今までも映画やテレビドラマ、本などで、たくさん語られてきた時代だけど、
実際に目にしているみたいに情景が浮かび、人物像もわかりやすく読ませてくれます。
お薦めです。










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