本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。 ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
  ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。
  そのための覚え書きのような簡単感想メモになります。
  評価の☆を付けるのはやめました。

★最近のお気に入り
楽園のカンヴァス  原田マハ
ライアの祈り    森沢明夫
海賊と呼ばれた男  百田尚樹
百年法       山田宗樹
ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ
妖怪アパートの幽雅な日常シリーズ
東雲の途      あさのあつこ
困っている人    大野更紗  
自分のアタマで考えよう  ちきりん
もちろん澪ちゃんシリーズは大好きで新作を待ちこがれています。     
★2013年に読んだ本で好きな本

はかぼんさん
しのぶ梅 晴天の迷いクジラ きみはいい子 路(ルウ)桜ほうさら
さくら動物病院 青空の卵 南下せよと彼女は言う
火群のごとく

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ネオカル日和
 好きな小説がたくさんある作家さんですが短篇小説を含むエッセイです。
実は読みはじめてすっごく覚えのある内容ばかりで、あれ?どこかで読んだかなと初出先見てもしらなくて、読んだのかなと思ってこのブログを探してもなくて、
でも読み進むうちに絶対に読んだと確信しました。
ここ数年読んだ本すべて記載しているつもりでしたが、
震災後しばらく書いていない時期があってそのころ読んだと思われます。
読んだ本をまた買ってしまった(^^;
以前もそんなことあったけど、
よっぽど印象に残ったものでないとどんどん忘れていってしまうのですよね。
折角読んでいるのに。
まあ読んでいるそのときを楽しもうと思っているのでいいとします。
と、自分で解決。

かわいいイラストがイメージするようにかわいい女性。
子供のころからのドラえもん好きな思い。
友達と喧嘩したこととかちょっとほろ苦い想い出を挟みつ、
好きな小説や映画やとても興味深く読みました。
作者の意図するものを読んでもらうのでなく、
読んだひとそれぞれが感じるものが違ってそれでいいという作家さんの思い。
これからも小説期待しています。

| 春色 | ー辻村深月 | comments(0) | trackbacks(0) |
島はぼくらと
 瀬戸内海の小さな島、冴島。
そこに暮らす17才の4人の男女。
島を出て行くものも、残るものも。
ともに過ごす最後の季節が海の匂いとともに描かれる。

島に高校がないため、毎日フェリーで高校へ通う4人。
同学年が4人だけだからいつも一緒に通うし一緒に帰る。
夕方4時過ぎにはフェリーが出るから部活には入れない。
とても閉鎖的な環境だと感じてしまうけど、
Iターンと呼ばれ、島へ暮らすようになった人たちも増えてきて、
良くも悪くもいろいろな人に出会う。

網元のひとり娘、衣花。
島をまとめる立場の網元の家のものは島を出ることはない。
ずっと島で暮らしていくのだと小さいころからわかっていても、
高校卒業すると大学進学する他の3人がちょっぴり羨ましく寂しい思いも。
そんな思いを出さないようにしていた。

母と祖母、女3人で暮らす、朱里。
父のロハスに巻き込まれ5才のときに島へやってきた源樹。
少ししか出られないのに演劇部に入っている、新。
脚本を書くという才能に目覚め・・

島へやってくるのは観光客も多いけど、
事情があってひとりで子供を育てるシングルマザーも多い。
そのひとり蕗子との出会い。
小学校で毎年演じられていた劇の真相。
長く島で暮らしてきた祖母や祖父たちの思いや後悔。


こうした島暮らしだけでなく高校卒業とともに地元を出る若者は多いと思う。
仲のいい友達とだってずっと一緒にいられるなんてない。
いつかは別れがある。
でも島という結びつきは強く強く、彼女彼らの心の中にあって、
羨ましいほどです。
なんて素敵な故郷なんでしょう。


| 春色 | ー辻村深月 | comments(0) | trackbacks(0) |
本日は大安なり
 大安の日に結婚式をあげる4組のカップルと、
結婚プランナーの山井多香子の仕事ぶりが描かれています。
登場人物たちが、最初のころの普通の新郎新婦のイメージから
がらがらと崩れていってからがおもしろい。
中盤、いろんなことがわかってきて一波乱も二波乱もありそうな展開にわくわく。
人の不幸を喜んでいるんじゃないけれど(^^;

美人双子姉妹が企てたことは、双子ならではの悩みと楽しみが。
今日の結婚式にこぎ着けるまで、たくさんクレームを出し困らせた新婦が当日したこと。
大好きな叔母の結婚に複雑な心境の男の子。中々複雑なからくりでした。
重大な秘密を抱えたまま当日を迎えてしまった新郎。
この新郎が一番いやだ。
ありえへんし。

自分の結婚の相談に来ていたのに、破談になってからプランナーになった多香子の、
プロの仕事ぶりに感心。

はらはら心配しながらも親の立場のように見守る心境でしたが、
結果みーーんなよかった。

最近、早く結婚したいと娘(21歳)が言うから、
どんな出会いがあるかしらと気になりながらも、きっとまだ先でしょうけれど、
もしかしたら、衣装とか式の段取りとがかなりクレーマーになりそな娘だわ。








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| 春色 | ー辻村深月 | comments(0) | trackbacks(0) |
ツナグ
 『ツナグ』とは、亡くなったひとと、生きている人を1度だけ会わせてくれる仲介人。
亡くなったひとに会う。そんなことが出来るのならば、会いたいひとは多くいるでしょう。
生者の勝手な思い込みかもしれないけれど、聞いてみたいこと、言いたいこと、
ただ会うだけでもいいと、思うでしょう。

依頼は、突然死したアイドル、癌で逝った母、喧嘩したままの親友、失踪した婚約者などいろんな立場、年齢、職業。
小説やドラマならではと思ってしまうけれど、
依頼すると、主に満月の夜、指定のホテルの部屋に死者が現れます。
生きている元気なときと何も変わることなくその場にいることに、
とまどいを覚えるのは生者のほう。

会ったばかりに更に重い枷を背負ってしまうことになる場合もある。
世の中の摂理に抗うことはやはりよくないのではと思ってします。

そんな『ツナグ』の仕事を代々受け継いできた家があった。
祖母からその話を聞き、あとを継いでほしいと言われた歩美。
ツナグ=使者の仕事の意味や、決まり事、教えてもらうことになり、
幼いころ亡くなった両親の秘密も明らかになってくる。
歩美は救われたんじゃないかな。
あと、婚約者が失踪してしまった男性も。
やっと前へ進むことが出来る。
死者と会うなんて、不可能なことだから、
生きている間にしなくてなならないことがわかった気がします。









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| 春色 | ー辻村深月 | comments(0) | trackbacks(0) |
スロウハイツの神様
かの有名な『トキワ荘』のように漫画家ではないけれど、
小説家、脚本家、映画監督、画家などのたまごたちが、
スロウハイツというひとつ屋根の下に暮らす日々。

ファンのおじいさんから好きに使っていいと譲りうけたのが、脚本家の赤羽環。
人気作家のチヨダ・コーキは、自分の小説を模倣した大量殺人事件があってから筆を断っていた。しかし、彼を救ったのは『コーキの天使』と名付けられた少女からの手紙。
6人がそれぞれ個性的ながらうまく回っている。
喜怒哀楽の感情はもちろん、恋愛だってあるけれど、
なんかうまくいっているんですね。

実は上巻でなんとなく物足りなく思ってしまったのですが、
環とチヨダ・コーキの関係、
下巻ラストの展開は見事でした。







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| 春色 | ー辻村深月 | comments(0) | trackbacks(0) |
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。
 心の細かい描写がとても上手な作家さんだと思うのですが、
今回は、女性特有かもしれない心の内が表現されています。

子供のころ、その子をイメージするものが親の職業だったり、
女の子同士、友だちだけど負けたくない気持ちや、
憧れの気持ち。
自分にも思い当たる気持ちがたくさんありました。
少し前に、負け犬だとか表現された言葉に傷つけられた人たちも多かったでしょう。

物語は、母親を殺して行方不明になった友だちを探していくうちに、
友だちとの関係や、家族、親子の関係、結婚など多くのことが明らかになっていく。

あんなに仲良しだった母親を何故、殺してしまったのか。
そして、何故逃げたのか。

疑問に思いながら、チエミを探す神宮司みずほ。
母親同士も仲が良かったから、ずっと友だちだけど、
チエミが思う気持ちと、みずほが思う気持ちには、ずれがあった。
ずっと子供のときのままではいられないし、
新しい生活もどんどん生まれる。

地元でずっと暮らす友だちも、東京や都会に出て行く友だちも、
それぞれなのは当たり前。
誰かになれるわけもなく、自分は自分なのだ。

よく見回してみたら悪いことなんてないのに、
他人と比べてなかりで悲観したり、
迷ったり、わからなくもないけれど、
味方だと思っていた親にも頼ることができないとわかったとき。

やっぱり、ひとはひとりでは生きていけない。











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| 春色 | ー辻村深月 | comments(2) | trackbacks(1) |
ふちなしのかがみ
 あーーん。怖かった〜
この本、本屋で見かけたときに表紙がきれいで気になっていました。
こ、こんな内容だとは・・

昨日、雨がしとしと降るなか読んでいたので、
怖さ倍増。
元々ホラーや怪談ものは好きでなくて避けています。
でも辻村さんのだし、と。
あっでも怖い怖いと言いながらですが、
おもしろかったです。
怖いもの見たさで最後まで。

一番最初の『階段の踊り子』が一番好きかも。
トイレの花子さんて流行りましたよね。
こちらは階段の花子さんで、七不思議が語り継がれ、
理不尽な死を迎えてしまった女の子の怨念?
うん。悪いひとは懲らしめるべきだ。
でも、階段怖い。

『おとうさん、したいがあるよ』
も、かなりインパクトありました。
次々と現れる死体。
うぎゃーー

『ふちなしのかがみ』
も、やっぱり怖いです。
鏡見られません。

『八月の天変地異』
は、救いがありました。









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| 春色 | ー辻村深月 | comments(0) | trackbacks(0) |
凍りのくじら
父親が失踪し、母親は末期癌で入院。
ひとりで壊れそうな家族を支えて生きている高校生の理帆子。
父親が敬愛していた、藤子・F・不二雄のドラえもんの世界を理帆子も愛し、
ドラえもんの世界の深さを感じて生きている。
SFとは、少し不思議な物語だと言う藤子先生が遺した言葉があるそうです。
少し○○と、名付ける言葉遊びをする理帆子。

少し不在。少し不安。少し不幸。少しフレッシュ。少し不足。

ドラえもんの道具の名前でいくつかの章に分かれているのだけれど、
確かに、単なる漫画じゃないですね。
ドラえもんは偉大だ。

そんな理帆子の前に突然現れた青年、別所あきら。
ドラえもんの話をすると馬鹿にする同級生が多いなか、
理帆子の気持ちを理解してくれるこの青年はいったいどこから来たのか。

元カレの若尾が壊れっぷりが怖い。
父親に恩があるという叔父さん、
その叔父さんの子供、郁也や家政婦の多恵さんが壊れていく物語に少しの光を与えてくれていたのに、
元カレがしでかしたことで、悲劇が。
でも、光は失われなかった。

明らかになった別所の正体。
全く想像していませんでした。
途中まで、暗いばかりの話だと思っていたけれど、
後半のミステリーの要素がよかった。

少しでなく、すごくと付けることが出来るようになって、
理帆子も郁也も大切な人となって・・

ドラえもんが読みたくなってしまった。







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| 春色 | ー辻村深月 | comments(0) | trackbacks(0) |
ぼくのメジャースプーン
 おいしい料理を作るためのメジャースプーン。

いちごみるく飴の甘さ。

かわいくてふわふわなうさぎ。

大切な友だち。

温かくて確かな存在なものたちが、壊されてしまう・・・

ある日、小学校で飼っていたうさぎが惨殺され、
その現場を見た女の子、ふみちゃんは心を失ってしまう。

静かに、僕の復讐が始まる。


小学4年生の僕は、2年前にある能力があることを知る。
それは、『声』
誰かを縛るための言葉。
たとえ力を出させるためだとしても、その言葉に縛られてしまうことは、
いいことではない。

とても不思議な力です。
自分が発した言葉により、人の運命を左右させてしまう。
とてつもなく恐ろしい力です。

同じ力を持つ、縁者の大学教授の教えを請いながら、
僕は静かに復讐のために動きだす。

始めての作家さんですが、
とても深く濃い内容にびっくりしました。

加害者に対する復讐の話は多々ありますが、
簡単には答えが出ません。

でも、この本のラストはとても納得のいくもので、
暖かな日差しが感じられました。




おまけ・・

無意味で空しい労働をさせるシーシュポスの岩の話が出てきましたが、
最近読んだ本にも、この話が出て来て、
どの本だったかどうしても思い出せなくて歯がゆいのでした。







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| 春色 | ー辻村深月 | comments(4) | trackbacks(1) |