本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。
ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
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ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。 |
ランチタイムは死神と
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2014.02.05 Wednesday 15:23
ランチタイムと死神とは全く距離の遠い存在のような気がします。 もうすぐ死ぬ人のところに現れるという死神。 そしてその姿が見えてしまうのは、ココロが疲れた女性。 好きなひとの婚約者が死ぬことを願ってしまう。 自分はなんて醜い心を持っているのだと悩む。 そんな時現れた死神。 死神の言うことは信じられないけれど、 もしかして自分はもうすぐ死ぬ。 しかし好きだった人がもうすぐ死ぬらしいと聞き、 自分の命と交換するかとの選択を迫られることに。 自分なんて死んでもいいなど思ってしまうけれど、 こんな自分の命も自分だけのもでないと気づく。 もう1編。 小説家になりたい女性。 最初に1次選考が通っのにその後は何度賞に応募しても1次さえ通らない。 本当は結婚してだんなさんに養って専業主婦になるつもりだったのに、 小説家の夢を持ってしまったばかりに、 付き合っていたひとに振られ、次に好きになったのは妻子あるひと。 そんな時、同僚の冴えないと思う女性の書いた小説がが賞を取り、 小説家としてデビューする。 自分はだめだと会社を辞め、フレンチのお店でウエイトレスをする日々。 これじゃ自分で家賃を払うことも出来ず愛人の立場に不満を感じながらも、 どうすることもできない。 そして死神が現れる。 自分はもうすぐ死ぬの? いや、別の身近なひとの命はあとわずからしい。 それは・・・ 他人をうらやむ気持ちが自分を後ろ向きにさせています。 確かによく見せてしまう。 しかしよく見せるための努力は他人にはわからない。 誰かの代わりということでなく自分自身の人生を歩んでいけたら。 少しだけ希望の光が見えました。 |
激流
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2013.08.13 Tuesday 10:01
文庫で上下巻900頁あまり。 でも一気読みでした。 ドラマをやっていたのは知っているのですが見ていません。 小説で読みたかったので。 中学3年のときの京都での修学旅行。 7人のグループでバス移動の途中、 小野寺冬葉という生徒が姿を消した。 自らバスを降りたようなのだが、車内は混んでいて誰もその時を見ていない。 それから家にも学校にも冬葉が現れることなく20年が過ぎた。 当時15才だった仲間は皆、35才となった。 それぞれの生活のなか、冬葉を思い出すことも少なくなっていた仲間のもとにある日メールが届く。 「わたしを憶えていますか 冬葉」 冬葉に呼ばれたかのように再会を果たす同級生たち。 それから思わぬ出来事が次々と起こっていく。 冬葉が失踪したのは何故だったのか。 冬葉は生きているのか。 の謎がずっと物語を覆っているのだけど、 35才となった同級生たちはそれぞれ問題を抱えて生きていて、 冬葉が失踪したのが自分たちのせいじゃないと思っていても、 責任も感じている。 桂子、貴子、美弥。 耕司、豊、悠樹。 そして担任だった旭村。 音楽教師の毛利。 冬葉の母親。 鍵を握るおとなたちの告白。 こういうミステリーで最後納得いかない場合も多いのだけど、 パズルのピースがピタリとはまるかのような鮮やかなラストでした。 あっぱれ。 |
謎の転倒犬
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2011.02.15 Tuesday 11:08
好きな作家さんで、犬とタイトルにあったので読んでみました。 しかし、転倒犬の登場は一瞬! サブタイトルの「石狩くんと(株)魔泉洞」をタイトルにしたほうがいいのではないでしょうか。 大学4年の石狩くんは、就職活動に励むも夏休みを過ぎるころになっても1社からも内定をもらえず、アルバイトをする日々。 この小説が書かれたころより、更に大変な就職難の今、 小説の題材にも使われるのでしょうか。 でも、小説やドラマのいい所はここで救う神が登場。 何故か、突然見知らぬ人から、来なさいってことになる。 現実ではないよね。 怪し過ぎる。 まあ小説だから楽しんで読みましょ。 カリスマ占い師、魔耶優麗の占いの館で働くことになる。 優麗(ユーレ)の助手のようなことをしながらも、 ここに就職決めたわけじゃないと、 じたばたしている石狩くん。 おもしろそうですよ。占いの館。 連日行列、マスコミにも多く登場する占い師の裏側が見られるなんてさ。 最初に会ったとき、あなたの過去へ行って見て来たと、 最近のことを言い当てられたのを不思議に思い、 絶対謎を暴いてやるの意気込みも、 優麗の手のひらで遊ばれるように、 持ち込まれる不思議な事件と共に、石狩くんの受難!?があれこれと。 ようするに占い師って、相手の話を聞き出し、観察しているといろんなことがわかってきて、 それを見極めるのが上手なんですね。 まあいろんな占い師がいるでしょうけれど、 これはこれでおもしろかったかな。 よかったら↓ぽちっとお願いします。 JUGEMテーマ:本の紹介 |
小袖日記
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2010.12.11 Saturday 00:46
こういう有名人になってみるのっておもしろそう。 紫式部が源氏物語を描いていた時代。 書き手とは別に、語り手がいたと言われているそうだけど、 その語り手の、小袖になってしまった。 源氏物語を執筆中の香子さまに仕える小袖という女性に。 不倫していた男性の妻が妊娠し、捨てられるという屈辱から、 死にたいと思って歩いていたら雷にあたり・・ あらま起きたら、おかめ顔がずらり! おもしろーーーい。 確実に戻れるとわかれば行ってみたいよね〜 あっタイムマシンってことか。 違った。その人にならなくちゃいけないから、 タイムマシンじゃ無理だわ。 現代では考えられない、美意識や男女間の問題。 喜びも哀しみも、いつの時代にもある。 香子さまが最後に語る、小袖と小袖の中に入ってしまったあたしへの思い。 なんだかいい人だな。 | ||
朝顔はまだ咲かない
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2010.12.08 Wednesday 00:28
いじめが原因で高校1年の途中からひきこもりになってしまった小夏。 マンションで母と二人暮らし。 他に会うのは、よく遊びに来てくれる友人の秋だけ。 母が働いているので、専業主婦として、 家の中のこと一切小夏がやっている。 掃除洗濯料理、なかなかちゃんとやっているようですよ。 ひきこもりも、いろんなタイプがいるらしく、 自室にこもって誰とも会えなかったり、 暴力をふるったり、 一日中ぼっーーとして過ごすか、ゲームをして過ごすだけとか、 それを考えたら、自分はちゃんとやっているという小夏。 外に出なくても、買い物は全部ネットから出来るし、 不便なこともないのね〜 それでも、母と秋の存在だけが、小夏を外の世界に繋ぐもの。 秋のおしゃべりに耳を傾けながら、 いろんな想いが交差する。 おもしろいのは、秋が持ってくる話がいつもちょっと謎だってこと。 それを小夏が解決してしまうのだけど、 あれだけの話で、何故その状況がわかるのかと、 ちょっと出来過ぎな感じがあります。 それでも家にずっといても、19才の女の子。 恋もします。 不思議な出会いだった双子の男の子。 少しずつ他のひとと話も出来るようになり、 いじめられていた時の状況も秋に語ることが出来ました。 当時裏切られた友だちへ自分から会いにいけたし、 状況はどんどん良くなって行きました。 まだまだこれから! いろんなことを楽しんでね。 よかったら↓ぽちっとお願いします。 JUGEMテーマ:本の紹介 | ||
竜の涙
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2010.04.16 Friday 21:40
『ふたたびの虹』に継ぐシリーズ2作めです。 前回で、いい感じになった清水とのことがもっと深く描かれるかと思ったのですが、 そこはさらりと踏み込まず、 主に新しく悩み多き女性たちが登場します。 また、店が入っているビルが建て替えられることになり、 立ち退きを迫られることに。 新しいビルに入るには、お金かかかる。 あまりお金がかからない郊外に新しく店を出しても、 きっと今の常連さんは来る事が出来ない。 お客の相手をしながらも悩む女将。 女将の決断は・・・ きっとまだ次の物語が出来そうな展開ですね。 楽しみです。 ミステリー色は前回の方が強かったと思いますが、 がんばって生きているはずの女性たちの悩みが、共感出来ました。 女将が作る料理と、温かさが彼女たちを救っています。 こんな女将がいる小料理屋なら、ひとりでも行ってみたいですね。 それから、 料理に対する姿勢や雰囲気から、 とっても好きな小説『八朔の雪』の澪ちゃんが重なって見えました。 どちらもとても好きな小説です。 澪ちゃんも、女将も他人のことばかり考えていないで、 幸せになってほしいですね。 | ||
ふたたびの虹
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2010.02.11 Thursday 13:52
最近あまり好みでない本が続いていて少し冷めていたのですが、 久しぶりに波長の合う本と出会えてうれしいです。 小料理屋『ばんざい屋』の女将と、集う人たちの日常の中に、 ミステリーの要素や、愛もありました。 常連客たちにはそれぞれ抱えるものがあるのですが、 女将との自然なやりとりの中から、重い荷を降ろしていくように温かい風に包まれていく様子は、読んでいてとても気持ちのいいものでした。 感じの良い女将にも、過去に何かがあったのだと思わせる要素があり、 先が気になります。 そんな女将に想いを寄せるようになった骨董屋の清水。 お客としての付き合いから、休みの日に会うようになり、 でも、すぐに恋愛にと発展しないのは、 女将に触れてはいけない過去があることを感じているから。 過去は気にしないけれど、 言いたくなったら聞きますという姿勢は、大人な対応だけど、 いい人過ぎてじれったい。 あ〜でも、清水が強引な人だったら、 女将の心は閉ざされてしまったかもしれない。 小料理屋だけあって、出てくる料理もおいしそう。 愛情込めて料理するとは、こういう事だと教えてもらった気がします。 女将の過去を知るひとたちが、ひとりふたりと増えてきて、 ついに知ることになった過去。 衝撃ではあったけれど、 やはりそこには愛が。 アンティークや骨董と言われる品もいくつか登場し、興味深かかったです。 指輪や、オルゴール、手から手へと伝わってきた歴史だけ、 物語があり、謎があり、手にする人たちの宿命をも背負う品々。 そして、奇跡が起こるのですね。 | ||
PINK
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2009.09.16 Wednesday 05:38
阪神大震災で、婚約者を亡くしたメイ。 忘れたくない忘れられない想いを胸に生きているも、 婚約者の由起夫とそっくりの男性、達也と出会い、結婚。 達也はいい夫で申し分がなく、幸せな生活をしていた。 ところが、ある1通のメールが送られてきたときから、 夫の達也の行動がまるで別人のように感じられるようになり、 不安になる。 この人は何ものなのだろう。 信頼して、愛して結婚したはずの夫が何者かわからなくなるなんて、 不安以外の何者でもないだろう。 ちょっとした癖とか、しぐさ、体臭など、絶対に本人とわかるものが違っている。 こういうことがわかるのは女性特有の感情で、敏感に感じ取るのだと解説にあるけれど、 確かに、女はよく見ているのかもしれない。 そんな中、夫が殺人容疑で逮捕される。 メイの周りにいるひとたち。 義理の妹、その婚約者。チャットの主催者。 友人であり宗教の教祖である奈津実。 それぞれいい人に見えるけれど、何かを隠しているのではと疑って読んでいました。 あの6000人以上もの死者を出し、 人々の心に深い傷を負わせた大震災を経験したひとたちは、 大きさの違いこそあれ、何かしらの痛みを今も抱えているであろうと 改めて思う。 由起夫のことを愛していた。 では、達也は? 真実を知り、達也の気持ちを知り、メイはやっと呪縛から解き放されたのだろうか。 先日読んだM8など地震をテーマにした作品だけでなく、 こうして阪神大震災で被災し、大切なひとを亡くしたひとが主人公になっている話をいくつか読んだように思います。 神戸の街が、見た目には立派に復興したのとは反対に、 今も痛みを抱えているひとは多いのだろうと思います。 それでも、生きていくため幸せになってほしいと願わずにはいられません。 | ||
回転木馬
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2009.03.10 Tuesday 07:40
こちらだけでも楽しめましすが、 やっぱり『観覧車』を読んでからのほうがいいと思う。 実はとっても続きが気になりながら、文庫になるのを待っていたのですが、 待ちきれず・・・図書館利用。 失踪した夫を待ち続ける唯。 仕事に出掛けたまま、なんの連絡も手紙もなく消えてしまった夫。 自分の意志で失踪したのなら、 妻を裏切っているはず。 かもしれないでなく、はず。 そんな思いがあれど、探さずにいられない。 どんな理由であっても、もう一度夫に会いたい。 ただそれだけ・・ 夫失踪に関わるだろう人たちを訪ね歩き、いろいろな人生を知る。 決して幸福とはいえない人生も、 人生は結局自分の人生、ただひとつしかなく、 他と比べてもしかたがない。 でも夫、貴之の人生は、いつのまにかひとつでなくなってしまったかのよう。 現実を受け止め、後戻りはできない。 パズルが完成するように、謎が解けていく。 貴之の気持ちも唯の気持ちも、12年前と比べ色あせることなく・・ | ||
観覧車 (祥伝社文庫)
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2008.01.26 Saturday 17:51
JUGEMテーマ:読書 失踪した夫を待ちながら、探偵事務所を続けている唯の物語。 夫が経営していた探偵事務所、夫が帰ってきた時になくなっていたら悲しむだろうという 理由から、何もわからないまま探偵の仕事を始める。 探偵のノウハウを知らない、女性ならではの視点で、 調査を進め解決はどれも愛が絡んで切ないです。 1年、2年待つならわかる。 でも結局10年。 その間にもいろんな依頼者と出会い、大変なめにも会い、 それでも夫を待つ。 心の中では、自分を裏切っているのだろうかと思っても、 諦めきれない。 男は、簡単に嘘をつけるのだ。という言葉が出てきましたが、 男に限ったことではないですよね。 誰も嘘をつくときはありますよ。 誰かを傷つける嘘ではありませんように。と思いますが。 小さな町の小さな遊園地。 観覧車から見える景色には、いろんな思いが詰まっています。 これは、続編あるみたいですね。 もう出ているのでしょうか・・ ランキング参加しています。 よかったら↓ぽちっとお願いします。 | ||