本を読んで、笑って泣いて怒って感動した素直な気持ちを綴っています。 ブログタイトル変更しました(旧 読書の薦め)
  ただひたすら本を読みたくなるので以前読んだ本すら忘れてしまうこともしばしば。
  そのための覚え書きのような簡単感想メモになります。
  評価の☆を付けるのはやめました。

★最近のお気に入り
楽園のカンヴァス  原田マハ
ライアの祈り    森沢明夫
海賊と呼ばれた男  百田尚樹
百年法       山田宗樹
ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ
妖怪アパートの幽雅な日常シリーズ
東雲の途      あさのあつこ
困っている人    大野更紗  
自分のアタマで考えよう  ちきりん
もちろん澪ちゃんシリーズは大好きで新作を待ちこがれています。     
★2013年に読んだ本で好きな本

はかぼんさん
しのぶ梅 晴天の迷いクジラ きみはいい子 路(ルウ)桜ほうさら
さくら動物病院 青空の卵 南下せよと彼女は言う
火群のごとく

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はるひのの、はる
 病気を克服されて久しぶりの小説ですね。
とても温かいお話を書くかたなので楽しみにしていました。

実際の地名とは関係ないそうですが、
『はるひの』という土地にまつわる人たちの今昔。
時代を超えて生きているひとたちが出てくるので、
あれ?このひと?どうなっているのとちょっと複雑ではありましたが、
納得できると感動です。
他人には視えないひとが視える。
そんな能力をもつユウスケ。
いつかきっと会いにいくからと言った約束。
ユウスケが見届ける。

| 春色 | ー加納朋子 | comments(0) | trackbacks(0) |
モノレールねこ
 加納さんの小説はいつもとっても温かい。
今回も心動かされる短篇が8つ。
共通しているのは、何かを失った人たちの再生物語だということ。

どれも印象深いので、ひとつずつ簡単に書いておきます。

『モノレールねこ』
不細工で太った猫が家にくるようになる。
ノラだと思っていたその猫が、ある日首輪を付けてやってきた。
その首輪に手紙を挟んで、小学5年のサトルと、タカキの文通が始まる。
突然打ち切られてしまった文通。
数年後の再会。
ドラマだ!



『パズルの中の犬』
フリーマーケットで買った真っ白のパズル。
パズルを組み立てていく中に見たものは・・
小さいころのトラウマのような思いが忘れさせていたもの。



『マイ・フーリッシュ・アンクル』
家族が海外旅行中にホテルの火事で亡くなってしまった。
部活の合宿のため、旅行に行けなかったカスミ。
そして残ったのはどうしようもないだめだめ男の叔父さん。
叔父さんとはいえ、あまりにもダメ男でいらいらする。
でも最期にちょっといい話がありましたね〜
あらまあという感じ。


『シンデレラのお城』
世間や親の手前偽装結婚する男女。
男性の方は、婚約者を亡くしているが、
婚約者だった女性は今も側にいて一緒に暮らしていると言う。
普通だったら考えられないことだけど、
ありかな。と思えてしまう。




『セイムタイム・ネクストイヤー』
三十代終わりになってやっと授かった子供が、
たった5年で病気で逝ってしまった。
こんな場合、想いを断ち切ることなんて出来ないだろう。
気晴らしに旅行へ行こうという夫の言葉も断り、
ひとりである場所に出掛ける。
それは、娘の七五三のお祝いをしたホテル。
そこで見たものは・・
それから十年あまり、同じ日にそのホテルへ泊まることになる。
真相は、夫やホテルの人たちの優しさ。


『ちょうちょう』
一念発起してラーメン屋を始めた男。
順調に2号店も開店させた。
が、ずっと順調に進むわけではない。
真面目に取り組む店長がちょっとかっこいい。
胡蝶蘭の鉢植えを置いた蘭子のいたずら!?もいい。


『ポトスの樹』
これはまたダメ親父の登場です。
子供のお金をくすねる。
給食費までも。あちゃー。
なんだかいいとこ全然ない親父ですよ。
そんな親父を持ってしまった男が結婚し、子供が出来る。
初孫にメロメロな両家のじじばばたちがおもしろい。
最期にこんな衝撃事件が起こるとは。


『バルタン最期の日』
1匹のザリガニの視点で書かれた物語。
本当にこういうこと思っていそうでおもしろい。
帯に、ザリガニの話で泣くなんて。と書かれていますが、
なんかすごいザリガニですよ。
一家の危機を救っちゃいます。
こんな風に、家族のことを見ているのかもしれないですね。
うちの犬も、いろんなことをちゃんとわかっている顔してます。
バカなこともしますし、このザリガニちゃんみたいなことは出来ないでしょうけれど。








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| 春色 | ー加納朋子 | comments(4) | trackbacks(0) |
ななつのこ
 加納さんの本をよく読むようになりましたが、
今回はデビュー作です。

連作短篇です。
ミステリーというにはほのぼのしているのですが、
文学部に通う女子大生の駒子。
『ななつのこ』という本が気に入り、作者にファンレターを書く。
と、返事があり・・

単なるファンレターでなく、日常に起こった不思議な出来事を手紙に書くようになり、
謎解きのような返事が来る。

不思議な設定です。

盛り上がるという感じではないのですが、
最後まで飽きさせることなく読み進めます。

そして、最後にちょっと種明かしが。
偶然の出会いではなかったのね。





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いちばん初めにあった海
 表題の『いちばん初めにあった海』と、『化石の樹』2編の、
ファンタジックミステリー。

『いちばん初めにあった海』

ひとり暮らしをしている堀井千波。
ある日部屋で、読んだ覚えのない本を見つけ、
その本には封を開けていない自分宛の手紙がはさまれていた。

学生のころ出会った結城麻子は彼女にとってどういう存在なのか。

いろんな謎が交差しています。

身近なひとが多く亡くなっていて、
心に深い傷を負っています。

目が見えなくなったり、
しゃべれなくなったり、
心の傷は、体にも不具合が起こり、
精神すら危ない状態。

でも、パズルのピースがはまって行くように、
わかってきました。

双子の弟のこと。
母のこと。
婚約者や子供のこと。

そして、千波のことを心から心配していた麻子がいました。

『化石の樹』

母親から愛されなかった少女の物語。
金木犀の樹になぞらえて、不思議な物語になっています。

なんとなくこの少女、『いちばん初めにあった海』の麻子のイメージで読んでしまいました。
これは全く違いますよね。

母の本当の願いがわかって、少女は幸せをつかむことができるでしょう。






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ささらさや
 少し前に読んだ『てるてるあした』の姉妹本です。
知らなかったけれど、こちらが先みたいですね。

『てるてるあした』に出てきた愛すべきおばさまたち、
久代さん、お夏さん、珠ちゃん。
とっても個性豊かで、傍目にはうるさく感じるかもしれないけれど、
こういう人たちと接してみたいです。


物語は、子供が産まれて幸せの絶頂にいるときに、
突然の事故で夫を失った女性、サヤが主人公です。

いきなりの事故の場面で悲しいはずなのに、
事故にあった夫自身の語りで、自分の葬儀を見ているという、
映画『ゴースト』のような展開なので、
死んだなんて思えないですね。

誰かの姿を借りて、サヤの困った場面に現れる夫。
大事なひとを亡くした経験があるひとなら、
たとえ姿が変わっても、自分の前に現れてほしいと思うでしょう。

泣き虫で、弱虫なサヤ。
ちょっとじれったくなってしまいます。
子供のユウスケが、夫の家族にもらわれてしまいそうになり、
逃げるようにやってきたのが、佐々良という街。

そこで前述のおばさまたちに出会います。

夫が現れるときに言う「馬鹿っサヤ」って言葉がとてもやさしさに溢れています。
どうして死んじゃったのよーーって思うけれど、
たくさんのやさしさに包まれて、
ユウ坊の母として、
サヤも成長しているのですね。
夫の力を借りなくてもなんとかなるとわかったとき、

夫との永遠の別れが訪れる。


『てるてるあした』にはサヤの子供、ユウ坊の不思議な力が描かれています。
おばさまたちのその後も。
興味があるかたは是非、2冊合わせて読んでみてくださいね。







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| 春色 | ー加納朋子 | comments(2) | trackbacks(0) |
てるてるあした
 子供も、大人も、知り合いだとか何の関係がなくても、
「ありがとう」
が言えること大事ですよね。

薦められて読みましたが、たった1冊の本から多くのことを教えられた気がします。

がんばって合格した高校に、
親が入学金を払ってくれないため行くことが出来なくなってしたった照代。
謝金取りに追われ家族で夜逃げすることに・・
おまけに両親とは別に、行きなさいと言われて照代が行ったところはすごく田舎で・・

おばあちゃんや、おばさんや、子供や、おかしな同年代の女の子、たくさんの人に出会い、
働くことを学び、
勉強の大切さを学び、
子供から素直さを学び、
物を大事に使うこと、
先のことはわからない。なんてことまで、

なんだか想像するにはちゃめちゃな人たちばかりのようでいて、
皆、温かい。

誰もが、愛されるため産まれてきたのだと思いたいけれど、
そうでない子もいる。

子を愛せない親もいる。

愛してほしかったら、まず自分から愛したらいい。

最後に、久代さんの手紙から
 本を読みなさい。とあってとても共感しました。
 その理由にも。
私もそうかもしれない。

久代さんの言葉を忘れないようにあとは、続きにメモしておこうかな。








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